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     ブラジル漂流記 (Draft in Br...  (最終更新日 : 2021/01/13)
パンタナールの旅Ⅱ [画像を表示]

パンタナールの旅Ⅱ (2011/02/21)
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パンタナールの夜明け
 

 今回、運転手兼案内をしてくれるのはジョン。スペンイン系のほっそりとした男性で、ちょうど僕と同じか少し上くらいのようである。もともとはサンパウロの田舎に住んでいたらしいが、こちらの方に家族でこしてきたらしい。
「前妻との間に2人の娘がいるよ。いろいろあって別れちゃって今は独りさ。独身生活を楽しんでいるよ」
 取材旅行は、案内役の働きにかかっている。ジョンは無口で、こちらが聞かないかぎり余計なことは喋らない落ち着いた性格の男であった。旅行の間中常に一緒であるから、嫌な奴だったらどうしよう、とちょっと心配していたが、悪い奴ではなさそうなので安心した。
 カンポグランジでソバを食べ終え、そのままミランダの奥にあるファゼンダホテルに向かう。途中、夕日の写真を道路わきで撮っただけで、ほとんどノンストップで走りに走る。ついに日はとっぷり暮れてしまった。ミランダから、土道に入る。
「そのファゼンダホテルには行ったことがあよね?」
「いや、ないよ。でも、前にこの辺を通ったことがあるし大丈夫だよ」僕の心配そうな顔を見てニコリとわらう。
 しかし、大丈夫なのだろうか? わずかにある看板を頼りに進んでいるだけである。それらしき所はなかなか現れない。彼はこの辺の方向感覚に自信があるようで、かなり的確に進んでいるということは、なんとなくわかった。
 途中、アルマジロが車のライトにびっくりして飛び出したり、鳥が飛び立たが、野生動物の宝庫といわれるパンタナールにしてはちょっと動物が少ない感じがしないでもない。
 やっとファゼンダホテルについたのは11時を過ぎていた。
 「いらっしゃい!」そういって支配人自らが、僕らを出迎えててくれ、軽く食堂などを案内してくれた。
「今日は遅いから、明日早く牧場を案内するよ。何時がいい?」
「できるだけ早く。何時でも」
「じゃ~、5時にガイドが起こしに行くから」
 この辺はサンパウロとは時差があり、1時間遅い。5時だったらサンパウロでは6時だから、普段起きている時間である。十分大丈夫だろうと思い快諾した。
 5時前に起き、出かける用意をしていたが、30分過ぎても1時間過ぎても、ガイドはやってくる様子はない。さすがブラジルである。あきらめて独りでホテルの前で日の出の写真を撮っているとやっとガイドが現れた。
 
 


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