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南米漂流
     ブラジル漂流記 (Draft in Br...  (最終更新日 : 2021/01/13)
マナウスの旅1 旅の始まり [画像を表示]

マナウスの旅1 旅の始まり (2011/06/30)
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アマゾンの夜明け


 ブラジルで一番好きな場所は? と聞かれたら迷うことなく、アマゾンと答えるだろう。パレンチンス近くのインディオ部落に行ったときは、その生活がすっかり気に入り、酋長の若い娘と結婚してそのままいすわろうか、と本気で思ったこともあった。しかし、長くても10日ほどしかいたことが無い人間が、アマゾンの自然の過酷さをほとんど知らずに好きだなんていうのはおこがましい話である。
 アマゾンに入った当時の移民の話を聞いたり、資料を読んで、マラリア、大蛇、毒虫、吸血虫・・・・・その自然の厳しさは、筆舌に尽くしがたいほどすさまじいことを知った。その上、温度は40度を越えることはザラだし、年間平均湿度は84%もある。東京の年間平均湿度(2009)が、60%であることを考えるとマナウスの湿度は凄い。5分歩いただけで汗が滴り落ち、ほとんど日中は外出することも困難である。ある駐在員がいった言葉が未だに忘れられない。「倉庫に置いてあるテレビが腐るんですよ。やはり、外国から来た人間が長い間住むところではないですね」確かにアマゾンは外国人が住むには大変な所かも知れない。
 しかし、アマゾンにいると僕は気分が不思議に落ち着くのである。さらに、体調もよくなるような感じがする。嘘か本当かわからないが、以前、人の前世が解ると言う人に「あなたは、昔はアマゾンのインディオだった」と言われたことがある。アマゾンにいる方が気分いい、ということは、彼女の言うことはあながち間違いでないのかもしれない。

 サンパウロを飛び立った飛行機は約4時間後の夜11時にマナウス到着した。深夜の到着にも拘わらず、これから始まるアマゾンの旅に心が弾んだ。


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