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     ブラジル漂流記 (Draft in Br...  (最終更新日 : 2021/01/13)
マナウスの旅 Ⅱ 早朝の決闘 [画像を表示]

マナウスの旅 Ⅱ 早朝の決闘 (2011/07/04)
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ウルブーと猫の戦い。ウルブーの方が強そうに見えたが、猫も意外に負けていなかった


ホテルに着いた時は0時を過ぎていた。予約を入れられていたホテルは輸入品や電気製品が売られている商業地区のほぼ真ん中にある、商人ホテルのようであった。機内でうつろうつろしたものの、サンパウロ市内から空港までぎゅうぎゅう詰めの乗り合いバスにのって1時間ちかくもかかったので、かなり疲れていた。
 ベッドに横になろうとしたとき、シーツの皺が気にかかった。ふと見ると、丸まった短い毛が2,3本落ちている。シーツを剥いでみると、更に男の髪の毛と思われる毛が5,6本も落ちていた。掃除をしていないのか? 誰かが寝ていたのか? 夜も遅く、疲れてもいたので、文句をいう気力もおきず、もうひとつあったきれいなベッドに横になった。ブラジルでいろんなホテルに泊まったが、こんなことは初めてのことである。
 バックパッカーをしながら一人、ペルーを旅行していた頃を思い出した。あの頃は金がなく、毎日泊まる宿は1ドルであった。リマのホテルはほとんどシーツを代えていないのか、白いモノが灰色になっていて、垢でビチャビチャした感じがあった。さすがにそのまま寝るのは気持ちが悪く、寝袋で寝た覚えがある。このときも、1ドルの宿だっただけに、さすがに文句はいえなかった。そんな遠い思い出を思い出しているうちに深い眠りに引き込まれていった。
 朝、起きて窓の外を見ていると、数羽のウルブー(ハゲタカ)が向かいの屋根に止まっていた。ブラジルにはカラスがはいないが、その代わりに、ウルブーがいる。サンパウロのような大都会でも、風に乗って上空をグルグル回っているのをときどき見かける。
 1羽が羽を広げて、何かを威嚇している。よく見ると1匹の野良猫がいた。逃げずにはむかって来るウルブーに頭にきたのか、何回か軽い攻撃をしかけるが、そのたびにウルブーは軽くピョンピョンと跳んでよけ、逆に羽を広げて猫を威嚇する。ウルブーと猫の戦い、さすがにマナウスだ! 興味しんしんで見ていたが、猫は数回攻撃をしかけたが、途中で嫌になったのか、屋根の隙間に入り込みいなくなってしまった。

 天気は曇り。薄い雲が上空一面を覆っている。雨季の終わりにさしかかってはいるが、まだ乾季に入っていないだけにからりと晴れ渡るには難しそうである。文句を言ってもしょうがないが、これではアマゾンらしい写真を撮るのは難しい。なんとか晴れることを祈るしかない


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