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南米漂流
     ブラジル漂流記 (Draft in Br...  (最終更新日 : 2021/01/13)
サンジョ農場ホテル [全画像を表示]

サンジョ農場ホテル (2011/12/19) 「サンジョ農場ホテル」につくなり昼飯を頂く。用意して待っててくれたのだ。バッファローのヒレ肉にバッファローのミルクで作ったソースをかけたモノ。これが抜群にうまかった。その洗練された味付けに、ここの料理人はただ者ではない、と思っていると、作ったのは、なんとオーナーのカルロス氏であった。氏はウルグアイ生まれ、お父さんがホテルを経営していたので、台所に入っては、いろんなことを聞いたり、経験して料理が好きになったという。さらに、ブラジルのいろいろなホテルの支配人をやっているうちに、さらに料理に磨きがかっかたそうだ。デザートはバッファローミルクで作った、ココナッツ入りのプリン。これも何ともいえない濃厚な味わいでうまかった。こんな電気も来てないような、アマゾンの島で、これほどの料理を食べることができるとは思いもよっていなかった。
 ホテルはきれいとは決して言い難いが、部屋は清潔でいかにも寝心地がよさそうであった。電気がきていないためにクーラーも暖かいシャワーもないが、北風が止むことなく吹き続けているので、実際の温度ほどは熱くない。ホテルの周囲は、乾季のためにブッファローの踏み荒らした大地が、見渡す限り続くような殺風景な風景で面白みも何もない。それだけに、建物に妙な温かみを覚えた。
 ちょっと休んだ後、馬で散歩に連れて行ってくれるという。ここで飼われている馬はすべてマラジョ馬で、足が短く、ガイドに言わせると不細工な馬である。小柄で、荒れた道を嫌がらず歩き、水の中を歩くのも平気らしい。マラジョ島の気候と大地に適応した馬なのである。
 雨季にはこの牧場の大部分は水没するらしい。その水没した大地を馬やブッファローに乗っての遠乗りが観光客に受け、毎年訪れる人もいるとのことであった。そんな話を聞いていると、是非僕も息子とその時期に来たくなった。しかし、値段を聞くと、1泊、食事、すべてのツアー、送迎混みで1人350レアル(1万7500円)という。決して高くないとは思うのだが、今の僕にはとても出せない金額である。観光旅行は、お金の余裕がある人でないとできない、とつくづく思う。いつか自力で観光旅行をできるような余裕ができるだろうか? そうなりたいものである。

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サンジョ農場ホテルの入り口。もしこれで寒かったらさぞかし裏寂れた感じがするだろう。暑いせいで、少しはそんな雰囲気も和らぐ

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ホテルのマスコット、ツッカーノ
 
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ホテル内の小さな私設博物館にあったフィル・デンタル(Tバックの水着)の元のデザイントとなったといわれるセラミカ。3つ開いた小さな穴にヒモを通してセラミカの部分を性器に当てて使った。模様はマラジョ独特のモノ。

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オーナー自らが作った、バッファーロのひれ肉の煮込み。その洗練された味には舌を巻いた。

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遠乗りで、僕が乗ったバッファロー。年齢8歳のオス。ゆったりとどっしりと歩くので乗り心地はなかなかいい。ただ、身体の幅が広いので長時間乗ると股が痛くなる

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ほぼ地平線まで、何も無い平原が続く。なんとなく雰囲気がパタゴニアに似ている


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