7・1 ブラジルが負けた日 (2006/07/01)
僕はあまりサッカーに興味がないこともあり、今回のワールドカップは一度として最初から最後まで観戦していなかった。 何故か、今回はきちんと観たくなった。ひとつには、どうせブラジルが余裕で勝つだろうという気持ちがあったからだ。もしブラジルが勝てばパウリスタあたりにも大画面が設けられ、もう少し簡単に大観衆の写真がとれると思っていた。 独りで見るのも味気ないので、近くの大きめのテレビを設置しているバールで観ることにした。 まったくサッカー音痴の僕が見ても、最初からフランスの気合が勝っているのが解った。特にジタンの気合はヒシヒシとテレビ画面からも伝わってきた。そんなジタンを見て、ロナウジーニョがなんでそんなに力んでいるの? といったような驚きの表情をしているのが印象に残っている。見ている人々もブラジルの選手同様、最初は余裕の表情で見ていたが、試合の終わり時間が近づくに連れ、声援が叫びに近くなってきた。終了まじか30秒前、もう何人かの人々があきらめの表情で立ち上がって帰っていった。 そして終了、町中から大きなため息がもれた。 ブラジルが負けて、観衆の暴動を警戒して走りまわるパトカーの点滅器の赤い光線が夕暮れの街に虚しく流れていった。
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