10・29 大統領選 (2006/10/30)
ルーラが続投することになった。たぶんアルキミンが大統領になってもルーラがなってもブラジルの政治はよくなるとは思わなかったが、あれほど汚職・贈賄の噂があるのに! またか、というイメージが強い。ルーラは貧困層に人気があるのに対し、アルキミンは中流以上の階層に人気がある。ルーラの当選は、国民の圧倒多数は貧困層だから当然といえば、当然であるが、よくアルキミンが2回戦にもつれ込んだものである。それだけ、アルキミン陣営の選挙活動がうまかったのだと思う。 テレビで二人の演説や、地方演説の様子を見ていると、明らかにルーラが勝っていた。ルーラの愛嬌のある顔に比して、アルキミンのドクロのような顔は暗いイメージが強く、この点でも負けていた。なによりルーラには「熱さ」があった。 僕も、貧乏人の味方的なルーラに最初の頃はある面期待していたし、アメリカに対してはっきりモノをいう点など好感を持っていた。しかし、本人も含め、周囲の人間の汚職なの噂がありすぎる。「汚職や贈賄はブラジルの歴史のひとつで当然だ」ということを平然と言ったというニュースを見て、さすがにうんざりしてしまった。 タクシーの運転手に誰に1票をいれるのかと聞くと 「もちろんルーラだよ。彼は貧乏人の味方だよ」 「お金をいっぱい盗んでいるのにまだ応援するの?」 「でも、誰が大統領になっても同じことをするさ」 そういうわれるともう何もいえなかった。 言いたい放題言っても、やっても、人気があり続けた泉前首相にどこか似ている。ある種のカリスマ性と「熱さ」が二人には共通しているのではないだろうか。
 | 道に落ちているアルキミンの選挙ビラの上を 二人のお年寄りがゆっくり歩いていく。 この様子を見てアルキミンはやっぱり負け る、と思った。 |
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