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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・7 学生運動? [画像を表示]

12・7 学生運動? (2006/12/08)  街を散策していると、テアトロムニンシパル(市営劇場)の前の方が騒々しい。何をやっているのかと見ると、学生風の若者たちが集まって、行進をする直前だった。
 前列にピエロの格好をした若者たちがいて後ろには打楽器隊、そして最後にプラカードを持った若者たち。ピエロと打楽器隊がいるところが、ブラジル的で面白い。それでも周囲には警察がきて、大きな騒動にならないように監視している。プラカードには値上げ反対などの文句が書かれているので、最近の公共機関の値上げに反対する行動なのだろう。1週間前にも同じような行進をみたが、テレビでは一切報道されていなかった。せいぜい200人程度だから見捨てられたのかもしれないが、僕自身ブラジルでこうした学生運動を見たのは本当に少ない。これほど貧富の差が激しくて、どうして人々は反対運動をしないのだろう、といつも思っていたが、ブラジルに長く暮らして少しずつその理由がわかってきた。その理由のひとつには、ブラジルは食べ物が豊富で安いので貧乏でも生活できる。貧乏人が多いのでそんなに極端な劣等意識を持ちづらいこと、そしてブラジル人の特性の大雑把で楽観的な部分が大きいと思う。それでも軍政時代の末期には、日系人も参加して学生運動などもあったようだ。考えは飛躍するかもしれないが、今の貧富の差などに対する反対運動のひとつが、リオの麻薬組織や、サンパウロのPCCのような気もする。PCCの組織の発端はもともと左翼系の人間だったという話も聞く。
 行進に参加している数人の学生はそれでも結構顔が強張っていた。お遊びのような行進であるから、連行されたりすることはまずないだろうが、人が集まれば何が起こるかわからない。写真を撮られて、今後のデーターとして残される可能性もなしではない。リスクがまったくないわけではない、そんなことを考えながら写真を撮っていた。今の日本で学生運動をやろうなんていう気骨のある学生がいるのだろうか?? いないとは思わないが、本当に少ないと思う。


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後方部隊は結構真剣な表情。中の一人は写真を撮ろうとすると顔を伏せた。
果たして僕だったら、参加しただろうか? 


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