12・19 マイズ・オウ・メノスの世界 (2006/12/20)
最近、自力でできることが随分と少なくなった。何をするにも大なり小なりの力を借りなければならない。多分僕自身、自分の力の限界が見えてきたということと、社会が複雑になったせいだろう。コンピュータや通信網が発達し、自力でできることが随分増えてきたような気がする反面、より複雑になり、さらに質の追求がされ、もう僕には手も足もでないことで一杯である。ブラジル人がよく使う言葉に、「マイズ・オウ・メノス(まあ、まあ)」という言葉があるが、さすがにブラジルでもマイズ・オウ・メノスでは済まされない部分が増えてきたような気がする。 午後から展示会用写真の紙焼き現像の打ち合わせ。紙焼き現像といっても今やすべてコンピューターで処理してしまう。最初は自分で引き伸ばすつもりだったが、もうブラジルには白黒用の印画紙が売られてないことと、自分のヘボさが十分身にしみているので、コンピュータ処理に踏み切った。今や、印画紙以上にきれいに印刷されるから、ネガの傷みなどを考えると、どう考えてもコンピューター印刷の方が良い。ただ、値段が高いのがネックである。 以前はカウンターでお客の応対をしていたウイリアムが僕の写真の担当である。昔の彼しか知らない僕はかなり心配であったが、彼のフォトショップ(写真用ソフト)の技術は相当のものだった。1枚1枚、コントラストと明るさを話し合いながら調整していく。半分終わった段階で僕は疲れてしまった。彼も結構疲れているようだが、毎日こんなことをやっているなんて驚く。もう僕が自力でやれる世界ではないとつくづく実感した。 たかだか1週間の写真展をやるだけでも、さまざまな人々の協力、時間とお金がなければできない。本当はできればすべて自分でやりたいが、もうそういう世界ではないし、僕にはその能力もないことを最近実感している。しかし今回の展示会を通してマイズ・オウ・メノスの世界から、少しステップアップしたような気がする。
 | 彼は他の仕事も抱えており、目の回る忙しさ。うるさいカメラマン相手の仕事はたいへんだと思う |
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