1・27 少林寺拳法 (2007/01/28)
土曜日は、犬と一緒に息子を少林寺拳法の道場に連れていくのが慣例となっている。行きは息子が1匹を連れて歩くからいいのだが、帰りは一人で2匹、さらに、たいていペットショップで魚や犬の餌やらを買って帰るから結構大変である。 息子が少林寺拳法を習い始めてかれこれ3年近くなるだろうか。僕自身が、喧嘩もからきしダメな軟弱人間だから、空手でもやっていてもう少し強かったならな~、ということがいつもある。もっとも僕のような短気な人間がもし武道ができ腕力に自信があれば、ここブラジルでは命がいくらあっても足りないかもしれない。大男が、ストリートチルドレンに撃ち殺されたという事件も結構あるし、ブラジル人は身体が小さくても驚くほど腕力が強いし、執念深いから一度やられても必ず仕返しに来る。昔、空手や柔道の達人の日本移民が、ブラジル人と喧嘩になると一度目はやっつけてしまうのだが、待ち伏せや多人数で襲われてコテンパに仕返しをされたという話を何回も聞いている。だからブラジル人と喧嘩をするときは仕返しをする気にならないほど徹底的に痛めつけなければならないらしい。 息子には自分で身を守る術を身につけさせたかったし、少しでも日本の文化に触れさせたかった。そんなわけで、いろいろ探していたのだが、貧乏カメラマンの僕にはどこも高かった。偶然、人に紹介してもらっスのが、お金をとらないで教えてくれる少林寺拳法であった。かかる費用は道場を維持していくわずかなお金だけだったので、僕にはもってこいであった。 最初はいやいやながらで、何回かもう止めると言ったこともあったが、そのたび、叱りつつけ無理にでも連れて行った。白帯が黄色になり緑になり、昇級していくにつれ面白くなってきたのか、最近では毎週楽しみにして行くようにネった。ブラジルでは賞状を貰う習慣があまりないから、年に1度もらう、メダルや賞状が彼と母親にとっては非常にうれしいらしく励みになっている。 はじめのうちは、学校でも喧嘩した際に、蹴りや突きを入れて問題になったこともあったが、最近はおとなしくなった。一度、自分より年上で大きな子供に泣かされて帰ってきたときがあった。何故やっつけなかったのだと、僕の方がけしかけてしまった。やはり線が細くて体力がないから、簡単にまかされてしまうのだろう。 道場では、厳しく礼儀を教えてもらうことによって、一応、人前では日本語で挨拶ができるようになった。僕としても非常にうれしい。しかし少林寺拳法の挨拶は、手を合わせての挨拶なので、知らない日本人が見たら少しおかしく思うかもしれない。もう少ししたら普通の挨拶の仕方もきちんと教えようと思う。
 | 最近自分から進んで練習に行くようになった。先生方のおかげで日本の礼儀も少し覚えたし、無理にでも続けさせたのは正解であった。 「継続は力なり」、彼を見ていて僕もそう思うようになった。 |
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