1・28 身近な危険 (2007/01/29)
夕方近くになると、僕のアパートの前に、いまいち人相や雰囲気の悪い若者が集まってだべっていることがしばしばあり、アパートの住人でもなさそうなのでおかしいなと思っていた。 うちのアパートは、昔は高級だったらしいが、今は中の下から下の上クラスである。住んでいる人間はさまざまで、ゲイから一般人、娼婦までいるようであるが、ほとんどは白人系の一般の家族で、あまりに黒い人や人相の悪い人間だと目だってしまう。しかし5,6年前から、いまいち人相の悪い人間が増えたような気がする。そんなこともあり、僕はアパートの鍵などには非常に気を使っている。 そんな矢先、彼女がポルテイロから聞いた話をしはじめた。 「いつも夕方になると若いのがたむろしているでしょ。あれは麻薬の売人らしいわよ。10階に住む14歳の娘がいるでしょ。彼女はこの一帯の売人のボスの子を妊娠しているらしいわ。怖いわね。だからエドワルド(息子)を一人で外には出したくないのよ」 と、外から帰ってくるなり早口でまくし立てた。 そういえば、10階のアパートには、どうみてもここに住んでいるとは思えない人相の良くない若者が入れ替わり立ち代り出入りしている。彼らを見るたびに気をつけないといけないなと思っていた。もっとも、彼らも自分達の関係者のいるところで悪さをする奴はいないと思うから安全だと思うが・・・? ブラジル、とくにリオやサンパウロの大都市では、麻薬は一般人の間にも奥深く浸透していて簡単に解決できる問題ではない。多分、この建物の管理人も、門の前で麻薬の取引がされていることを解っていながら、仕返し等のことを考えると何もできないのだろう。 それでも、ここ最近門の前にたむろする若者や、10階のアパートに出入りする若者が減ってきたような感じがする。何かあったのかもしれない。 こうした犯罪が自分のすぐ身近で行われていると考えると、いつそのとばっちりを受けるとも限らないので少々怖い感じがする。
 | 新聞にブラジルの都市は無法地帯だ、と書いてあったが、いろんな裏の事実をしると、それも言い過ぎではないような気がする |
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