5・2 ニンジャ (2007/05/03)
愛犬ニンジャは「このバカイヌ」といいたくなるほどトボケタ犬であった。名前を呼んでも、振り向きもしないし、散歩にでれば主人を置いて他の人にとっととついていく様な、それこそバカイヌであった。それでも息子は、自分が選んで買った犬だけに愛着があるのか、いつもニンジャの肩をもった。ニンジャがバカな行動をするたびに、彼は悲しそうな顔をして肩をすくめた。 そんなニンジャが少しずつ変わり始めた。なんか顔つきが変わったな、と思っていた矢先だった。前の哲人のような「何事も我関せず」という顔つきから、目や口元、顔のいたる所に愛嬌が出始めているのである。以前の何を考えているのか分からないような顔に比べると、随分かわいい顔になった。表情が出てきたというか、何を考えているのか分かるような顔になった。1歳を越えて脳が発達しはじめたせいか? あるいは、童貞を捨てたせいか? ・・・・。 何よりも名前を呼ぶとちゃんと振り向くようになった。以前はアズミ(一緒に飼っているメス犬)を可愛がっても、見向きもしなかったのに、最近は自分も可愛がってくれ、と要求するようになった。どうも人間臭くなって、僕としては何かモノ足らない。今になって、昔の超然としたニンジャが良かったな、と思いはじめている。
 | 名前を呼んでも見もせず、呼んでも来ることもなかった犬が、自分から人の膝に乗ってくるようになった。かわいいのはかわいいが、なんか面白くない。息子は喜んでいるが・・・・ |
|
|