5・9 パパ(ローマ法王)来伯 (2007/05/11)
「毎月宗教を変わる」といわれるほどブラジル人は大の宗教好きだそうである。僕の知っているだけでも、アフリカ系の密教から、キリスト教系の新教、はては日本の仏教、創価学会、天理教などもあるから、それこそ宗教のルツボなのである。こんなさまざまな宗教に押され、カトリック教の信者が随分減っているそうである。バチカンでも南米の信者の減少を憂慮しているのであろう。布教強化のために、パパが来伯した。 パパのために、ブラジルは道路を改修したり、大会場の設営など、少しでもブラジルを見せようと余念がない。その様子がテレビや新聞で大々的に報道され、パパがブラジルについてから、その一切の行動を生中継でテレビで流されている。パパを一目見ようと、ブラジル中、南米中から多くの信者が彼が滞在するサンパウロにかけつけている。息子の友達の母親は熱心な信者らしく、パパの行動予定の一切を頭に入れているそうである。 僕は別に信者ではないが、信者たちの感激の様子を写真に撮りたかったので、パパが滞在するサンベントウ修道院まで行ったが、規制が厳しく写真を撮る状態ではなかった。何よりも、皆冷めてたんたんとしていたのは拍子抜けであった。僕の頭の中には、ワールドカップの熱狂的な人々の姿があったから余計そう感じた。日が落ちドンドン暗くなり、写真を撮れる状況ではないので、結局、パパの到着を待たずして帰った。 テレビの中継を見ていても、いまいち人々の熱さが感じられない。パパの決まったポーズや動きが、ただただ空回りしているように見えた。それだけカトリック教ばなれが進んでいるということかもしれない。
 | パパの滞在するサンベントウ修道院。ニョキニョキと生えたきのこの様なテレビの報道車のパラボラアンテナが並ぶ。まるで宇宙人がやってきたような感じである。パパの到着を祝し教会の鐘が鳴らされ続け、一種異様な雰囲気であった。小雨が降り寒い夜だったが、この雰囲気を味わえただけでも来たかいがあった |
|
|