子犬のさくらが生まれて今日で８日目。相変わらずアズミはかいがいしく子育てに励んでいる。そのせいかさくらは太ってころころとしてきた。あの食べ物に対して貪欲で、オス犬のニンジャを押しのけてでも人の愛情を受けたい、というような自己中心的な犬がここまで世話をするとは思わなかっただけに驚きである。知人のコッカースパニエルも初産で5匹も生んだそうであるが、生みっぱなしで子育てを放棄してしまい、いろいろ手をつくしたが結局すべて死んでしまったといって残念がっていた。それを聞いてつくづくアズミはえらいな、と関心してしまった。確かに、情は深そうな犬である。家族以外に触れるのも嫌いなようで、他人が触ろうとすると吠え掛かるような1本気なところがあるから、子育てに集中すると一生懸命になるのだろう。また、生まれたのが1匹だったことも幸いしていると思う。 　あんなに食欲がよかったアズミも最近食が落ちてきて、好き嫌いが出てきた。身体も少し肉が落ちてきた。子犬が死ぬ確立が高いという1ヶ月を無事過ぎてくれればいいのだが。 ころころと肉付きもよくなり、子犬らしくなってきたさくら。ただ、乳の出が悪いようで、頭を振ったり、手で押したり、かなり激しく乳首に吸い付いている。生まれたのが1匹で本当に良かったと思う。

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