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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/09/17)
5・21 何もやりたくない気分

5・21 何もやりたくない気分 (2007/05/22)  日本行きを控え、やらなければならないことが山積みである。そういうときに限って何もやりたくない。高校時代の試験前1週間の気分を思い出す。「スパイダーマン3」がちかくの映画館でやっていることを思い出し、早速いくことにした。多分これに行ってしまえば、今日はそれこそ何もしないだろうな~、という気持ちをほんのりと感じながら。
 途中、昼食時間を終え、いそいそと帰社するサラリーマンで一杯の道を歩いていると、「むむむ・・・俺はいったい何をやっているのだろう」と空しさがこみ上げてくる。
 映画館は、すっかりさびれ、以前は映画が変わるたびに変わっていた宣伝の看板もなく、A4の薄汚れた紙に手書きで題名と開始時間が書かれているだけである。モギリもいない。劇場の中を覗くと、広い待合室の隅でモレーナの2人の女性が退屈そうにおしゃべりをしている。手を上げて合図をすると気づいたらしく「もう始まってから30分たっているけど、いいの。次の回の上映には出なきゃダメなんだけど」という。別に格段に見たい映画ではなかったので「それでいいよ」というと、入れという。
 ショッピングセンターにある映画館では普通12~15レアルだが、ここは7レアル、さらに水曜日は半額という安させある。ひとつには、だから来たのであるが・・・。お金を払ったが、半券をくれなかった。多分このお金は彼女たちの懐にそのまま入るのだろう。係員が調べに来ることはないことを知っていたので、何も言わずに入った。
 案の定、ぽつりぽつりと黒い影が見える程度で、館内はガラガラだ。天井も高く、サンパウロでも有数の広さを誇るこの映画館は映画を見ていても気持ちがいいので、僕はこの映画館が大好きだ。以前は周囲に4,5軒の映画館があったが、閉鎖されたり、ピンク映画館になったりして、今残っているのはここだけである。でもこの寂れ方を見ていると、ここも閉じられるのは時間の問題であろう。
 やはりスパイダーマン3はつまらなかった。もう、日常の生活からかけ離れすぎていて、感情移入ができない。1では、本当は絶対ありえないのだが、もしかしたらこんなこともありえるのではというような、わずかな期待を抱かせられ、より感情移入ができ楽しめた。映画になじめなかった理由のもうひとつは特撮が使われすぎているせいもあるだろう。
 外に出ると、日が燦燦と照っていた。無理やりに現実に戻された感覚が辛かった。この感覚が日本に居る時はなんともいえず一種の爽快感にちかいモノがあったが今日は辛かった。その辛さに耐えられず、近くにあったストリップ劇場に逃げ込んだ。明日こそは、仕事をしようと自分に言い聞かせて・・・・


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