6・5 セ広場 (2007/06/06)
久々にセ広場を歩く。 入り口付近で靴磨きの青年に突然呼び止められ、思わず靴を見ると確かに汚れている。そういえば、今まで一度も靴を磨いてもらったことがない。一度くらいは磨いてもらってもいいかもしれない。そんなことを考えながらセ広場に入っていくと、人の多いこと多いこと。口の周りに泡を吹きながら、しゃべりまくる宗教家。ギターを片手に弾き語りをするカーボーイ風の男、綱渡りをする眼の鋭い老人、彼らを熱心に見入る人々。さらに、トロッカトロッカ(物々交換)をする男たち。今日の広場は人であふれている。 セ広場といえば、ひったくりの多いことで有名な場所で、通り過ぎる人々は皆、鞄を抱きかかえるようにして歩いている。そんな一方でストリートチルドレンが街路樹の間にマットを引いてのんびりと日向ぼっこをしている。まったく不思議な光景である。思わず、本能的に手が鞄の中のカメラに手が伸びるが、警官に見つかるとやっかいなことになるし、子供たちも嫌がる。人の嫌がる写真を撮るのはできるだけ撮らないように心がけているので広場全体の遠景写真を撮って我慢をする。 セ広場は、人生に疲れた人や落ちこぼれた人が吹き溜まる場所である。この広場にはそんな人々を集める磁力がある。僕も広場の力に引き寄せられてくる一人である。
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