故郷の新聞社に５回連載で記事を書かしてもらうことになった。それは、姉や妹に喜んでもらえるので、僕としても非常に嬉しいことなのだが、僕の顔写真が必要ということがひっかかった。以前、書かしてもらったときに送った顔写真で僕としてはよかったのだが、その写真はもう数年前に撮った古い写真だったので新しい写真が欲しかったようだ。 　僕は自分の不細工な顔写真を見るのが大嫌いなので、写真を撮るということを聞いてうんざりしてしまった。ちょうど高校時代の友人が写真を撮ってくれることになっていた。あまりに僕の顔が堅いせいか最後に「１＋１は？」と聞いてきた。普通の人は「２（ニーッ）」と思わず笑ってしまうだろうが、日本ではこうやって堅さをほぐすのか、と感心してしまう始末で、あまり表情は変わらなかったと思う。同じ写真を撮る人間として申し訳ないことをしたと思う。 　僕はできるだけ人前には姿を見せたくない方なので、写真を撮られたり、人前で話しをしたりするのは辛い。

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