移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・23 ホームステイ

6・23 ホームステイ (2007/06/24)  今回、来日した目的のひとつ、アフリカのアンゴラから来た人々のホームステイの通訳のボランティアもなんとかごまかしながらやっと終了の日を迎えた。
 通訳中に頭の中が真っ白になり、何を言ったのかまるっきり忘れてしまうこともあったが、キーワードを思い出し、なんだかんだと話をつないでなんとか切り抜けてきた。幸いなことに来た人々がみんな、僕の言葉を理解しようという気持ちを常に持っていてくれたことが、大きな助けとなった。ブラジルの田舎に行くとまったく理解しようという気持ちを持たない人が多いから、「ホテル」という言葉さえも通じないことがある。それを考えると、今回の通訳の仕事は、楽であった。
 アフリカの人々と実際に話したのは、今回初めてであったが、その明るさ、純粋さには驚いた。もしかしたら、ブラジル人も海外に行くとこんなに明るく見えるのだろうか? ホームステイ先の人々は、人種の違い、色の違いなど一切気にすることもなく受け入れ、食事から寝床のことまできを配っていた。その細やかな心遣いにアフリカ人も面食らうほどであった。
 ブラジルは人種差別の無い国だとよくいわれるが、実際は肌の色の差別は存在する。アフリカ系の肌の黒い人々は、道を歩いているとしょっちゅう警官に尋問を受けるらしい。もっともアメリカなどに比べると、ずっとましらしいが・・・。そんなブラジルの生活に慣れていたせいか、高知の人々のまったく肌の色に関係なしに接している様子を見て感激してしまった。
 僕が受け持った女性に「お風呂にはいる?」と聞いたところ、躊躇する様子を見せた。話を聞いてみると、どうやら、箱根で温泉に入ったときに、みんなにジロジロと見られたようで、それが嫌だったらしい。彼女はてっきりまた、大きなお風呂に入ると思ったらしいのだ。温泉に入っているお客は、大きな黒人が入って来てびっくりしたのだろう。
 わずか2泊3日のホームステイであったが、お互いに強い感動を受けたようで、涙涙のお別れとなった。僕自身も思わぬ経験をすることができ、アフリカにも関係ができたことは大きな収穫であった


前のページへ / 上へ / 次のページへ

楮佐古晶章 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 楮佐古晶章. All rights reserved.