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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/04/09)
8・24 ツクナレ釣り [画像を表示]

8・24 ツクナレ釣り (2007/08/28)  僕は魚が大好きだが、飼う方で釣りの方はあまりすきでない。今、家には5本の大きな水槽にピラニア、レッドテールキャット、ピラルク、アロワナなどが居る。どうも、針にかかってくるしそうにもがいている魚をみるとかわいそうに思えて苦手なのである。もっとも水槽に大きな魚を飼っていると釣り人に言うと、かわいそうに、といわれることもしばしばであるから、どっちもどっちもかもしれない。
 パンタナールやアマゾンなどで、竹ざおで釣るような簡単な釣りはしたことがあるが、ポイントに投げ込んで釣るツクナレ釣りは初めてである。難しいと思っていたし、竿ももって来ていないので釣りをするつもりはなかった。釣り宿にいくと、オーナーが「釣りをしなくちゃだめだよ。道具は貸してあげるよ。今まで誰にも貸したことはなんだけどね。今日は特別だよ」と言ってくれたので、その言葉に甘えて、道具を借りて釣りをすることになった。このオーナーは白人系のえらく威勢のいい男で、ぶっきらぼうではあるが、非常に親切であった。
 グランデ川はサンパウロとミナス州の境を流れる川で、両岸にはサトウキビ畑が広がり、エタノール工場が建ち、どんどん岸の樹木が伐採されているが、それでもまだいくらかの自然は残っていて、場所にいくとまるでパンタナールの様な場所もあり、結構楽しめる。今ではこの地のツクナレ釣りは有名になっているが、ツクナレはもともとはアマゾン水系の魚である。多分釣り好きな人間が放したものが増えたのだろう。
「こういうときを利用して、釣りをしないと、忙しくてなかなかできないんだ」オーナーは嬉しそうに、ツクナレのいそうなポイントに小魚をつけた針何回も何回もを投げる。シーンと静まりかえった川面にヒューイン、ヒューインという音が空気を震わす。久しぶりの自然と膨大な水の流れに、最近仕事ばかりですっかり硬くなっていた僕の心身が徐々に弛緩し始めているのを感じる。「いいな」ひとりでに口に出た。
 最初のポイントではまったくつれず、何回か場所を変え、やっと1匹のツクナレが釣れた。出る前に、「まずゼロなんてことはないよ。かならず釣れる」と豪語していたから、彼も少し心配だったのだろう。ハイタッチを交わした。
 どうせ釣れるわけがないと、と思いつつ僕も何回かいか投げた。はじめからこんな考えでは、釣れるわかげない。僕自身もそう思っていた。この広大な川を舟で歩いたことだけで、僕には十分であった。しかし、偶然にもツクナレが釣れたのである。魚を飼っているせいか、だいたいどこに魚がいるのか勘でなんとなくわかった。そこに投げ込んだのだ。30センチほどの小さなものだったが、もう十分であったが、「なかなか才能があるよ。今日の夕飯にがんばって釣ってくれ」彼のその言葉にすっかりのせられ、何回か投げ込んだ。ツクナレは夫婦で行動する魚で、片方が釣られても、最後まで寄り添っていることを知っていたので、どうも彼らを釣るのは気が進まなかったが、ついつい続けてしまった。結局2匹のツクナレ、1匹のトライーラ、1匹のピラニアが僕の釣果であった。3時間あまりの間、二人で今日の夕食くらいの量のツクナレは釣ることができた。
 さすがに釣ったばかりの新鮮なツクナレを使ったオーナー自らの手料理はおいしく食べ過ぎてしまった。やっと奴隷の怒りも吹き飛んだような感じだ。

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釣りあげたツクナレ、とオーナー。右が僕がつったツクナレ


 


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