9・29 澱む (2007/09/29)
朝起きると、頭の中がアホになるほど真っ白になっていた。寝すぎたせいか、熟睡しすぎたせいか、よくわからない。心の中に刻み込まれた傷がじょじょに良くなってきているのかもしれない。 昨日よく働いたので今日は、休養日に決めていた。昼まで、ぐだぐだと本を読みながらベッドの上で過ごすが、さすがに昼近くになるとあきてしまった。知人から貰った本もあらかた読んでしまい、面白い本がなくなってしまったのもその一因である。 あてどもなく、街をほっつき歩く。が、写真は撮れない。日本のパイオニア的写真家の木村伊兵が「写真は毎日撮らなくてはダメだ」と言ったそうであるが、僕もその通りだと思う。ずっと怠けていたつけがたまっているのだ。気がつくとストリップ劇場の近くにきていた。劇場の前に来ると、門番が金属探知機をもってニヤニヤしている。「おー、アミーゴ、今日はよっていかないのかい」思わずその声に誘われ、ふらふらと入ってしまった。 何かイライラすることがあると、この劇場にしばしば足を運ぶ。別に、女性の裸を見たいというのではなく、暗さといい、喧騒といい、自分の中に没入するのにいいのである。永遠くりかえされるストリップをみながら一人澱んでいく。「あ~あ」ため息がでる。俺はいったい何をしているのだろう。
 | 薄暗くなったセントロを人々は家路を急ぐ。そんな中に紛れ込んでいると、なにもせずにぶらぶらしている自分が少々後ろめたい気分になる。 |
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