1・4 時間の流れ (2008/01/05)
つい2週間前のことが、もう随分昔のように感じる。衝撃的に辛いことがあったせいだろうか。無意識のうちに、その衝撃を和らげるために忘れようとしているようだ。そういえば、あまりに悲しいことやショックなことがあると、自己防衛のために、その部分だけすっぽりと、記憶から削除してしまうという話をテレビのドラマや小説でよく見かける。僕の場合はそこまではいかないが、にたような働きなのかもしれない。 時間の不思議を感じるのは、犬成長をまじかに見ているせいもある。まだ2ヶ月もたっていないのに小犬たちはどんどん大きくなり、走り回れるようになり、自我が形成され、いっぱしの犬になってきた。彼らの成長を見ていると、まるで自分は時間の流れから、置き去りにされているような奇妙な感覚に襲われる。 老人ホームにお伺いしたときにある老人が「最近は、時間の感覚がなくなってきて、自分の存在する時間さえわからなくなってきた」とポツリといった。その言葉は未だに強く記憶に残っている。
 | すっかり人も車も消えた年末年始のサンパウロ。独りだけ取り残されたような気分に陥った |
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