2・5 カーニバル休み (2008/02/05)
少ない仕事といっても月に何かしらの仕事は入るので、締め切りをにらみながら、いつも憂鬱な気分になる。だいたい、来るのは写真と文章といった仕事で、写真はいいとしても、文章にはいつも悩まされる。ある友人は仕事で原稿用紙10枚、30枚ぐらい書かなければならないそうであるが、よくそんなに書けるものだとつくづく思う。 僕が書いた最大に長いモノといえば、卒業論文だと思う。僕のいた学部は理系にしては非常に自由なところで、卒論は自分の好きなテーマを選んで書くことができた。当時僕は大した指針もなく、「森林形成にかかわる動物」について調べていた。単に、動物が好きで、山が好きで、独りで山に居たかっただけのような気が今ではするが・・・。いろいろでっちあげて卒論を書き上げたような覚えがある。その頃、ヒッピー的な思想に傾倒しており、「物事はやりたいときにやり、やりたくなければやらない方がいい」と勝手に思っていた。それが悪いことに、卒論提出の期限も押し詰まった頃で、出来具合を教授に聞かれて、随分怒られたものだ。当然のことであるが、同期の友人たちは学科の部屋に篭って懸命に卒論制作をしていた。その頃、僕は漠然と研究者になりたいと思っていたのだが、皆のように根を詰めて研究をすることも、計画的に進めることも、まとめることもできない自分に気付き、唖然としてしまった。本当はもっと早く気付くべきだったのだが、あまりにも自由な生活と、山にいるだけで研究しているつもりになっていたことが災いし他のことばかりに目を向けていたのだ。資料や調査結果をまとめる大変さ、デスクワークの重要さををまったく考えていなかったのだ。今思うと、雑で怠惰で、モノをまとめる力のない僕にはもっとも不向きな仕事だと思う。それでもなんとか卒論発表を終え、助手の先生に「心配したけど、一応ちゃんとしてたよ」といわれほっとしたものである。 カーニバル前に、ほとんど仕事を済ましていたし、カーニバルの仕事もないし、今年のカーニバルは休んでいるという実感がある。仕事があると、休んでいてもいつもなんだかんだ考えているのだが、今は頭の中はスッカラカンで何も考えていない。清清しい。とはいいつつも、他人から見たら僕の生活ぶり普段とほとんど変わらないだろうが・・・。
 | 2年前のサンパウロのカーニバル。今年はもっと豪華になっているようだ |
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