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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/03/28)
2・23 ステレオセット

2・23 ステレオセット (2008/02/24)  息子が数十枚のカードを並べて真剣な表情で見いっているので「何のカード?」と聞くと、遊戯王のカードだという。いつの間にか買ったのか、他にも山ほど持っていて驚かせれた。僕には一度もねだったことがないので、母親が買い与えているのだろう。一瞬、無駄なものをこんなに買ってもったいない、と思ったが、自分が彼くらいの年頃のときには、ライダーカードを集めていたことを思い出した。そんなに熱中して集めた覚えはないがそれでも100枚近くはもっていたような気がする。僕もあの頃は彼と同じようにカードを並べて見ていたかもしれないと思うと、さすがに、そんな無駄なものは買うなとは言えなくなった。
 息子はほとんど僕に何かを買ってくれとねだることはないが、母親にはよくねだるようで、リベルダーデ(東洋人街)にいくたびにねだられて困る、というようなことを彼女が言っていたことを思い出した。そういえば、僕も父にはあまりねだった覚えがない。母にねだった最高のモノは中3時代に買ってもらったステレオセットだ。スピーカーからアンプなどのカタログを集めてきては毎日思い焦がれていた。総計30万円を超えていたような気がする。こんな高価なモノを買ってもらえるほど、うちは裕福ではないことは知っていたので、購入は絶対無理だと思っていた。記憶にはないが、それでも僕は母の苦労もしらずにねだったのかもしれない。あるいは、毎日ステレオに思い焦がれている息子を母親は喜ばしてやろうと思ったのかもしれない。遺産の関係で借りのあった、電気屋の叔父に頼み込んで母は、ステレオセットを手に入れてくれた。娘しかいない叔父は、僕を非常に可愛がってくれていたから、叔父も多分援助してくれたのだろう。叔父が軽トラックでステレオを持って着てくれたのきには、うれしくて天にも昇るような気持ちであった。6畳の畳部屋の自分部屋に置き、その頃流行っていたエアロスミスやクイーンなどのハードロックを聞きまくった。しかし、せっかく高価なステレオを買ってもらったにも関わらず、住宅が密集していたことから、ほとんどその能力を発揮させることはできなかった。当時は、嬉しかっただけで手に入れるにあたっての母の苦労なぞ何も感じていなかったが、自分で生活するようになって、さぞかし大変だったのだろうな、としみじみ思う。
 せっかくあの頃、高価な音響機器を買ってもらったにもかかわらず、今はほとんど音楽には興味がない。ちなみに買ってもらったステレオはどうしても捨てる気にならず、未だに実家に置かれている。


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