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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/09/17)
2・26 薬屋の親父と沢木耕太郎

2・26 薬屋の親父と沢木耕太郎 (2008/02/27)  彼女が風邪をひいたので薬局で薬を買ってきれくれという。こちらの薬のことはよくわからないので、あまり行きたくなかったが仕方がない。
「喉が痛くて、頭ががんがんするの。熱は無いみたい」
 どうせ風邪薬なんてひとつだろうから、そんなに症状を言っても仕方ない、と思いながら薬局に向う。
その薬局の主は日系人で、でっぷりと太ったいかにも剛腹らしい親父だった。なんか第一印象が悪い。彼女に言われたように症状をいうと
「喉の痛みどめは、これとこれとこれと、頭の痛みは・・・」
次から次へと4,5個薬を出してきた。風邪薬は1種類飲めばいいものと思っているから驚いた。そのうちの1個の薬の値段を聞くと49レアルだという。
「49レアル!」驚いた声を上げると、「いや間違い39レアル」と訂正する。いかにもぼろうとしている感じがしてムッした。
「高いかね?」と親父が聞いてきた。
「高いね!」
「これだけでいいよ(日本語)」と言ってたくさんもってきた中から喉薬と一般の風邪用のカプセルだけ買うことにした。それでも合計30レアルだから決して安くない。
「何かあったら本人を連れてくればいいよ」と帰り際に親父が言った。
 こんなところ2度と来るものか! と思いながら店をでた。親切を装おいながら金を踏んだくろうという風に見えたが、果たしてどうなのだろうか?
 今、読む本がなくなって沢木耕太郎の「深夜特急」を読み返している。彼の場合は、どんな強欲な人間に会っても、「いや、待てよ、それはそれで面白いじゃないか・・・」と言うような見方をして決して相手を切り捨てない。そういう風な見方は、僕にはなかなかできない。今まで何人の人間を自分の中で切り捨ててきたことか。後悔はしていないが・・・。
 氏は柔軟性にとんだ見方と、常に寛大な気持ちを持ち、例えどどんな人間とだろうと、人との出会いを楽しんでやろう、と思っているからこそ、このような見方ができるのだろう。
 氏に2回偶然にあっている。1回目は北大の学園祭での講演で、そのときは名前も知らず、どうして聞きに言ったのかも覚えていない。2回目はブラジリアのインディオの民芸品販売店であった。この頃は大好きな作家の一人となっており、よっぽど「沢木さんの大ファンです」と言うおうかと思ったが、一緒にきていた、NHK? の記者風の人間が、「忙しいんだから沢木さんに話しかけるんじゃないぞ」的な雰囲気をプンプンさせガードしていたので、結局話しかけるのは止めた。
 なんとなく縁を感じるのでいつかまた会いそうな予感がする。そのときには、しっかりとお話したい。
 
 
 


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