移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
3・5 息子 その後

3・5 息子 その後 (2008/03/06)  結局息子には、僕は何も言わなかった。(3・3の日記
http://www.100nen.com.br/ja/akinori/000146/20080304004245.cfm


「お金返してくれた?」
 彼が学校から帰ってくると、母親が聞いた。
 息子はニコニコしながら機嫌よく家に入ってきて、母親のその言葉を質問を投げかけられても、機嫌のよさは一向に変わらない。
「あいつは、なんだかんだとごまかして結局返してくれなかった」
 と変わらぬ表情でいう。
 もし、自分がいじめにあっている、と思っていたり、あるいはこのことが傷になって心に残っていたらこうはいかないだろう。このふたりの会話を聞いていて僕の方が拍子抜けしてしまった。「やっぱり、完全なブラジル人だな・・・」とそんな息子を見て一人思った。
 大人が思っているほど、彼は別にたして何も思ってなかったのかもしれない。多分「先生とやりたい」と言ったのは、大人ぶった自分を友達に見せたかったのだろう。それをずる賢い友人が聞いて脅したのだろう。彼は、ときどきこうした背伸びをした発言をすることがある。
 あの発言があってから、一人で寝るようになったようだ。そのことにしても朝、「昨日は一人で寝たんだよ」と僕に無邪気に告げてきたから、ほとんど心の傷にはなっていないのだろう。
 息子は僕が言うと、非常に気にするので、やはり僕から何も言わなくてよかった、と今は思っている。
 これから、息子は夢精やマスターベーションをしたりする年齢になっていく。初めての夢精の時には僕自身驚いたが、息子は母親にそのことを告げるのだろうか? 今の感じでは告げそうな感じがする。そんな彼を見るのがなんとなく楽しみである。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

楮佐古晶章 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 楮佐古晶章. All rights reserved.