3・23 堀の中の真実? (2008/03/25)
「ブラジルでは日本人のペニスが小さいって有名だけど、ブラジル人のモノってそんなに大きいんですかね?」 「みんな同じだよ、白人も日本人もブラジル人も。黒人は大きいかもしれんけど」 何故こんな話になったのか???? 「だけど、地方の便所に行くと、隔てるものがなくて、大きなトイみたいなところで皆一緒にするじゃないですか。あれだと嫌でも目に入るけど、大きかったですよ!」 「いや、外国人のモノはいつも半立ちなんだ。俺は刑務所に何回も入ったからよく知ってるんだ!」 経験豊富な知人のWさんにここまで言われると何もいえなかった。 「へえ、そんなに何回も入ったんですか? 何年ぐらいいたんですか」 「そうだな、いろいろ入ったけど合計5年くらいかな。ひどい所だよ。あんな所絶対入るところじゃないよ」 「カマ掘られたんじゃないですか?肌が綺麗だから日本人は狙われるっていうし」 「バカ言え! いくらでもオカマがいるからそんなことにはならんよ」 2ヶ月ほど前に、刑務所の中を描いたドキュメンタリー映画「カランジルー」を見ていたので、いろいろ聞いてみたいことがあった。 「日本だと牢名主みたいなのがいて、入ってきたばかりの奴がいじめられたりするじゃないですか。ここでもそうなんですか」 「そんなのはないね。中であんまりひどいことをする奴は皆で集団リンチにあうからね。こうやって棒で叩くんだ」 そういって、構えたWさんの顔には荒々しい緊張した表情が一瞬走った。当時の体験が、蘇ったのだろう。その強烈さがこちらにも伝わり体がこわばった。余程激しい体験だったのだろう。 「映画では囚人は刑務所の中を自由に歩き回っていたけど、そうなんですか?」 「いや、そんなことはない。牢屋から出れるのは、ご飯のときと運動の時間くらいかな。ベッドなんかないし、毛布に包まって床で寝るんだよ」 映画では、囚人たちは自由に歩き回り、ベッドもあれば、テレビもあり結構自由な快適な生活を送っていた。 ペルーの刑務所を取材したとき、やはり囚人たちは自由に刑務所内を歩きまわり、寝るときになると牢屋に戻るのだと言っていた。ある男が刑務所内を案内してやる、と言ってきたので、あんたは誰だと聞くと、ここの囚人だという答えが返ってきて驚いた覚えがある。だからWさんが入っていたころは、自由がなかったのかもしれないが、今は結構自由なのかもしれない。 「気に入らない奴がいたりすると、夜寝ているときにプラスチックの紐を足の指にくくって火をつけるんだ。そうすると、プラスチックが溶けて焼けどするんだ。あれはひどいよ」 「映画では面会も自由で、部屋で奥さんとセックスなんかもしてたけど・・・」 「誰も面会に来ないと惨めなもんだよ。差し入れがないと、本当に惨めなんだ。確かに刑務所の奥に面会日には入れてセックスなんかもやれたけど、綺麗な奥さんや、年頃の娘なんか来ると、皆に回されて無残なものだよ。文句いっても看守なんて見て見ぬふりさ。だから、普通の日にきて面会部屋でちょっとあって帰るくらいにしないとだめなんだ。 堀の外では金がたくさんあるなんてこともいっちゃダメなんだ。金があることを知ると、金を払わないと刑務所で息子はひどいめにあうよって、家族に脅しをかけて金を全部まきあげようとするよ。まあダニだね 」 実際体験した話だけにWさんの話には凄みがあった。もしかしたら、映画カランジルーのように今は自由があるのかもしれないが、どちらにしろ最悪の場所であることは確かだ。
|