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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4・9 マクンバ

4・9 マクンバ (2008/04/10) ここ最近、家の動植物が逝ってしまうので随分と哀しい思いをした。
 そんな所に、しばらく帰っていない家から電話がかかった。用事の話が終わり、彼女は最近かぜを患ったようでちらりと「あなたは私にマクンバをかけてないでしょうね?」と冗談気味に聞いてきた。そして最後に、
「あなたは信じないかもしれないけど、エドワルド(息子)の部屋は、前の持ち主の娘の部屋で、その娘はマクンバ(呪い)をかけられていたらしいの。で、部屋には呪いが残っていたらしくて、彼がその部屋で寝る度に体調が悪くなるのよね。今はもうお払いをしてもらったから大丈夫だけどね。
 あなたにも何かついているみたい。私は感じるわ」
 そんな事を言われて、時期が時期だけに、さすがに嫌な気分になった。
 以前、ブラジルの黒人密教について調べたことがある。ブラジルには、アフリカから奴隷として多くの黒人が連れてこられたことから、さまざまなアフリカの文化、宗教が流入し、今でも受け継がれている。マクンバはアフリカ系の呪いの密教の一派という説と呪いの儀式という説があるようだ。一般的には「マクンバをかけられる」というような言い方をされるから、「呪い」という言葉としておおざっぱに使われいるような感じである。
 サンパウロでもちょっと郊外にでると、大きな素焼きのお皿に、鶏の死骸や、牛の臓物、蝋燭などが、道端やなどに置かれているのをしばしばみかける。これはマクンバの跡である。10数年前は、サンパウロの街のど真ん中でもときどき見かけられ、こわごわ写真を撮った覚えがある。
 力の強いマクンベイロ(呪術師)にかけられるとなかなかこの呪いを解けないという話や、マクンバ返し、マクンバをかけられた話を聞いていたから、そういうこともあるのだな、と思っていた。
 黒人の都といわれるほどアフリカ系の人々が多く、アフリカ系宗教のメッカであるサルバドールに行ったときに、知人の宗教家に、「亀や動物を飼っていると、もしマクンバにかけられても、彼らが守ってくれるよ・・・・」と言われたことを未だに覚えている。その亀が死んでしまったていたから余計彼女の言葉が気にかかっていた。
 知り合いの占い師に、見てもらってもそんな兆候はないといという。だいたい人に恨みを買うようなことはしていない。
「どうしても気にかかるようだったら、兄を紹介するわ。そういうのが専門だから。でも、動物たたちはきっと寿命だったのよ」
 僕もそう思う・・・・。こういう話は気にし始めると何でも結び付けて考えてしまう。ただ、生活していく上において気にかかることは排除した方が絶対にいい。もし、今後どうしても気にかかるようだったら彼女の兄さんに頼もうと思っている。どういう風にするのか興味もあるし・・・
 


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