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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/07/03)
4・18 ブージオスⅡ [画像を表示]

4・18 ブージオスⅡ (2008/04/20)  占い師が待っていたのは、彼の妹の家であった。部屋の隅に小さなテーブルが置いてあり、その上には、カンドンブレ(アフリカ系の宗教)で使うスズのようなモノ、蝋燭、水の入ったコップ、黒い人形の置物などが置かれ、そして魔女の人形が置かれていた。どうも魔女の人形が不釣合いに見えた。
「こんな魔女の人形をおくなんて、やっぱり何でもアリのブラジルだな。写真を撮るときには取ってもらおう」と考えていた。
 そんなことを思っていると、占い師、サント(聖人)が入ってきた。ちょっと日本の着物にも似た感じの黄色の装束を着て現れた。撮影のために気を使ってくれたのかと思ったが、後で聞くと占いをするときにはいつもこの格好らしい。結構大柄な人で、ニコニコと笑っているが目つきが鋭く落ち着いた雰囲気があった。
 魔女の人形のことを話すと、「いい人なんだけどね。私とはもう10年以上一緒に占いをしているんだよ。でも邪魔だったら取っもいいですよ」と笑いながら言った。
「じゃあ、まず占いをして、それから取材と写真にしよう」
僕としてはまず仕事をしてからゆっくりと占いをしてもらいたかったのだが・・・・
 生年月日と僕のフルネームを聞き、紙に書き取った。最初計算を間違えたのか、29歳だと思ったらしく、45歳だと言うと驚いたような顔をした。39歳だという彼より僕は年下に見えたのだろう。
ブツブツとアフリカの言葉と僕の名前を唱えながら10数個の貝殻をテーブルにある丸い木製の板の上に投げた。貝の出方を見ながら
「あなたの性格は嫉妬が強く、気が短く、繊細で、考えがコロコロと変わる。そうですか?」本当は性格なんか見てもらうつもりはなかったからちょっと拍子抜けしてしまった。多分、性格を当てることによって、占いが当たると言うことを信用させるつもりなのだろう。確かに、僕の性格は言われた通りであるが、考えがコロコロ変わるというのは、ちょっと違うと思う。
「あなたの前世は女性だった。だから嫉妬心が強く繊細なんだ」以前、前世が解るという人にを見てもらったことがあるが、アマゾンのインディオと武士だったと言われただけで、女性というのは初耳である。
 その後、何回か貝を投げてはいろんなことを占ってくれた。占いはだいたい年内に起こることらしい。将来的なことはわからないのかと聞くと、自分の見えるのはせいぜい2年ほどだという。
「今年は種を植える時期で、これから忙しくなるだろう。来年は刈り取りの時期でよくなるだろう・・・。他に聞きたいことは?」
 ずっと気にかかっていた、誰かのマクンバ(恨み、呪い)が僕についていないかということを聞いてみた。木の黒人の人形を手の上の貝の上で数回振り、貝を投げた。
「ついているよ。東洋人の恨みだ。だからあなたは、仕事をしたくないし、ずっと寝ているのだ。あなたが死んだらいいと思っているよ。でも、あなたのエネルギーは強いから、その恨みは及ばない。その影響で動物達が死ぬのだよ」
 ムムム・・・、仕事をしたくなくて、いつも寝ているというのは、まさにその通りである。この時点でこの占い師をかなり信用するようになった。
「その悪いエネルギーをとることができるんですか?」
「できるよ。滝に行って体を洗い清めて。着ている服を川に流すのだ」
「もし、この悪いエネルギーをとらなければどうなるんですか?」
「あなた自身に及ぶことはないが、哀しい思いをしなければならない」
「・・・・、じゃあやってもらえるのですか?」
 このときちょっと師の表情が柔らかくなった。
「お金がかかるがそれでいいなら」
 お金で解決できるのなら簡単なものである。そんなに高いものでないだろう、と高をくくっていた。
「儀式のいろいろな材料代が100レアル、それと350レアル」
 うーん、ちょっと考え込んでしまった。3万円ちかく、僕にはかなりきつい。しかし、お金で解決できるなら・・・・。ダメもとで僕の実情を話して見る気になった。
「ちょっと僕には難しい値段ですね。この仕事も実は150レアルしかでないのです。占い代として50レアル、あなたの妹に50レアルお礼としてあげたいので、僕に残るのは50レアルなんです」
「えっ、たったの150レアル」日本の仕事だから、さぞかしお金が入ると思っていたのだろう。
「解った、もうこれ以上は下げれないけど、トータルで350レアルでどうだろう」
 この値段だと何とか成る値段である。すぐにやることを決めた。

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 占いをするサント、エドワルド氏

 


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