4・23 占い恐るべし (2008/04/25)
感性を磨かなくちゃいかん! と今日朝おきて突然思い立った。昼食後、ピナコテッカ美術館に出かける。確か移民100周年記念で日本から国宝級の古美術品がきているはずである。 江戸時代以前の着物、陶器、刀、漆塗りなどが展示されていた。100年以上前の着物がほとんどそのままの状態で残されているなんて驚きである。さらに、日本人の器用さ、作品の質の高さにはつくづく感心した。ブラジル各地に旅行するときにはたいてい美術館や博物館に入って宗教画や彫像などを見るが、これほど精巧なものはまずない。 国宝の刀、正恒が展示されていた。もっとぐっと感じるものがあるかと思ったが、僕に見る目がないのだろう、ほとんど何も感じなかった。ただ、何か気にかかり、3回見直してしまった。ぼんやりと雲のように鈍くひかる部分を見ながら、この刀も人の血をすったことがあるのだろうか、などと思いを馳せた。 一通り、館内を見て地下にあるカフェテリアに入ると、ぐったりとした疲れを感じてしまった。そのときは、数ヶ月ぶりに履いた靴のせいだろうと思っていた。 帰り、ちょうど、ストリップ劇場の前を通ったので入った。モギリのおばちゃんが(僕より年下だろう)ニコニコしながらジャッキーチェンのDVDを10本持っているという。彼女から見れば僕はジャッキーチェンに似ているそうな、日本人には言われたことがないから、ブラジル人には髪が長めの東洋人は誰でも似ているように見えるのだろう。客のまばらな劇場内でぼんやりと考え事をしながらいつものように見ていた。舞台では、いかにも、子供を3、4人産んだといった感じのダレタ体つきをした女性が踊っていた。その年輪が一杯詰まった体を見ていると目が離せなくなってしまった。 と、突然、友人の占い師から電話がかかってきた。さすがにボリュームガンガンの劇場で電話に出るわけはいかないから急いで外にでると切れてしまった。また戻るのも億劫になり、家にそのまま向うことにする。 入り口で郵便物を受け取り、何が書かれているのか見ようとするのだが、目がチカチカして視点が定まらない。アレっどうしたのだろう、と思ったがたいして気にもしなかった。家について、さっそく友人に電話をかけると「大丈夫?」「えっ、何が」「占いに、あなたが病気だって出ていたのよ」「ピンピンしているよ。ははは」「心配になって電話したの。大丈夫そうでよかったけど、とにかく気をつけてね」 夜は、飲みに出かけようと思っていた。何気なしに血圧を測ってみた。 ゲッ、高い方が180下が120ほどある。いったいどうしたのだろう。何かの間違いだと思い、もう一度はかるが同じくらいである。もう一度、もう一度・・・・、何回計りなおしても値は下がらない。 昼間に食べた魚がしょっぱかったが、そのせいだろうか?? いろんな原因を考える。そういえば、美術館での疲労感も普通でなかったし、目がチカチカしたのも血圧が高い証である。最近、血圧は下がっていたのに・・・・。これでは飲みに行き所ではない。僕の友人なんかは下が110を越えると動けなくなるという。酒でも飲んでいて、ぶっ倒れたなんていうのも恥ずかしいから、今夜は家で大人しくすることにした。 それにしても占い恐るべし!
 | 人それぞれ喜びもあれば、悲しみもある。できれば平穏に生きたいが、そんな人生は面白くない? |
|
|