5・2 10年の目標 (2008/05/04)
「どう、元気!」 久しぶりにお世話になっているIさんにお会いした。 去年の元気一杯、精力一杯、気力充実、のイメージからうって変わり、どこかしら眠たそうな、柔らかな雰囲気に包まれている。 「息子に社長の座を引き渡して、今は相談役になったから、いろいろ変わったよ」といいつつも、また次の目標をいろいろ話してくれた。 「ところで、どう仕事は? もういいんじゃない、写真は。 油田も発見されたし、農業生産も上がってきているし、地下資源もあるし、これからブラジルの時代がきっとくるよ。君なんて、ブラジルの知識も深いし、少しはポ語を話せるし、日本とブラジルの橋渡しにぴったりじゃない」と氏。 「最近、ますます写真の目が開花しちゃって・・・」と冗談で切り替えしたが、彼が僕のことを心配して言ってくれているのはよく解った。このまま、食えない写真の世界にいてもしょうがないのはよくわかるが、さらさら、橋渡しなぞになる気はなかった。 「なんか目標はあるの?」 「あと10年のうちに5冊写真集を日本でだして、5回写真展をやりたいと思っています」 「ああ、そう。君にそういう気があるのなら頑張らなくちゃね。もっと細かな計画をたてなきゃ」 またバカなことを考えていると思ったのだろう、彼は少々トーンダウンして僕の方を見ながら言った。 その後、人生経験の深い2人の方にIさんに言われたことを言うと 「そうだね。Iさんのいうことは正しいよ。 君の考えていることは非常に難しいけど、まあ、頑張りなさい。好きなことをするのが一番だよ」二人ともほぼ同じような事を言った。僕としては「君なら大丈夫だ。頑張れ!」という回答を期待していただけに少々がっかりした。3人の経験豊かな人に同じような事を言われたということは、多分それが正解なのだろう、でも、僕は自分のやりたいことしかやれない。今後どうなるかわからないが、無名のまま、貧乏なままで終わってもそれは仕方のないことだと思っている。 以前、ルポライターになりたいと思い、取材をし、書いたことがあった。しかし、自分で読んでも全然面白くなく、これは自分にあってないと直感した。結局、行き着いたのが自分自身を見つめる作業であった。自分自身を写真と文章で表現する作業であった。何処までやれるのか、自分でも解らない。でも、続けていくしかないのである。人から見たらくだらないことかもしれないが、それが僕の生きる証だと思っている。
 | 一寸先は闇、且つ明るい未来が広がるわけでもないが、自分が納得いくように生きたい。そのように生きられるだけでも恵まれていると思う。 |
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