5・12 アズミの傷開く (2008/05/13)
息子がはあはあ息を切らせながらやってきた。 「アズミのお腹が開いてる!」
結局、生まれた子犬たちはすべて人に譲って、父犬のニンジャと母犬のアズミだけが家の方に残っていた。もう同じ過ちを繰り返したくないので、2匹を去勢していたのだ。本当はどちらか一方だけにするつもりだったが、先日、一緒にしてちょっと目をはなしているうちに繋がってしまっていた。つながったまま、申し訳なさそうに2匹は僕の方を見るが、繋がってしまったものはしょうがない。無理に引き離す気にもならなかった。行き着けの獣医に聞くと、1ヶ月しないと妊娠しているかどうかわからないという。オス犬も一緒に去勢した方が、ガンや病気にかかりにくいという。2匹一緒となるとお金の面でかなりきつい。が、後で病気になってお金がかかるのもイヤだし、犬が苦しむのを見るのはもっとイヤだったので2匹一緒に去勢していたのだ。
おっちょこちょいの息子の言葉はあまり信用できない、とりあえず実際に確かめてから、と思い家に行ってアズミのお腹を見ると、手術した傷口のすぐ横の皮膚がはがれそうになっている。これくらい大丈夫かな、と思ったが獣医に電話すると、連れてきてくれ、という。頭だけだしてアズミをリュックにいれ連れていく。アズミは5キロちかくあるから20分も歩くと汗だくである。散歩をかねた運動にちょうどいい。そんなことを考えながら獣医の待つペットショップに向って速足であるいた。 この頃、犬と自分の健康のことで振り回されている。リベルダーデの入り口で出稼ぎ勧誘のおじちゃんに声をかけられ、そろそろ仕事をせねば、と軽い不安を覚える。でも仕事がないし、あせっても仕方がない。雑踏にまぎれながら無理やり不安を打ち消した。 獣医に診せると、「あ~・・・」とため息ともつかない声をアズミのお腹を見ながら発した。おそらくよくある症状なのだろう。彼女は傷口を手際よく消毒してポマードを塗った。 「1日3回きれいにしてこのポマードを塗ってください」どうやら連れてきて良かったようだ。治療は5分もかからずあっという間に終わってしまった。 曇り空の肌寒い帰り道を歩いていると「こんなことばかりしてちゃな~、そろそろ仕事しなきゃな~」知らないうちに独り言が出ていた。
 | 都会のど真ん中の高層アパートで、ひっそりと仙人のような生活をしているのになんかいろいろなことが起き過ぎる。なんで!? 写真;カンクロウの最後のお風呂 |
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