5・18 気分転換 (2008/05/19)
体調もいまいちよくないし、流れ的にも問題ばかり起こる。そんな状態にすっかり気落ちし、もうどこにも出たくないし、何もしたくない。ズブズブと底なし沼に落ち込んでいくような気分である。 ベッドの脇に転がっている携帯を見ると、ブラジル人のアミーガから電話が入っていた。重たい体を引きずり起こしてベッドから出て電話をかける。 「オイー! 元気!」受話器一杯に溌剌とした彼女の声が広がる。 「どうしてるかと思って。なんか元気ないわね。火曜日に夕食でもどう?」 「うん、多分大丈夫だと思う」 彼女のエネルギー一杯の声を聞いて、少し気分が明るくなった。これじゃー、いかんな! 独り言をもらしながら気合をいれる。このまま家にいるとますます淀んでいきそうなので、MASP(パウリスタ美術館)にでも行って、有名画家の絵画を見て少しでも気分を晴らすことにした。 この美術館には世界有数の絵画があり、小・中学の図画の教科書で見たモネやゴッホ、ピカソなどの世界的な有名な画家の作品がある。最初見たときには非常に感動したものである。特に、(名前は知らないが)モネのボートを漕ぐ女性???? の絵は構図といい色合いといい、見てほれぼれとするものだった。 入場料15レアル(約1000円)、あまりの高さに驚きつつも、しぶしぶ払う。ついこの間まで10レアルだったのに・・・・。つい1ヶ月ほど前、この美術館に泥棒が侵入し、ピカソの絵とブラジル人の有名画家の絵が盗み出されていた。1週間もたたないうちに絵は戻ってきたが、そのお粗末な防犯には非難が集中した。その防犯設備のために高くなったのかもしれない。 やっぱり来て良かった。絵をみているうちに大分活力が湧いてきた。今日もモネの絵には見入ってしまった。来ている客には、独りできた綺麗な女性も居て絵と両方を楽しめたし・・・。 その帰り、パウリスタ大通り1キロほど歩く。その間出あった東洋人は中国人らしき人ばかり。日系人はどこに行ってしまったのだろう。サンパウロも東洋人といえば中国人といわれる日ももうすぐかもしれない。なんとなく寂しい。
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