6・15 食事 (2008/06/16)
今日は久しぶりに外で飯を食いたくなった。急に誘える相手もおらず、息子を誘って出かけることにした。 「何が食べたい?」 「マカロン(麺類)」 ということで、いきつけの中華料理屋にチャンポンを食べにいくことに決定。息子と外に食べに出るのは久しぶりである。彼はいつも通りで、さしてうれしそうな顔もしていない。もう少し、嬉しそうな顔をすればいいのに、と思いつつリベルダージにポチポチ歩いていく。 まだ6時すぎだというのに、もう薄暗い。大して会話もないまま、店につく。彼とはいつもこういう感じである。他の人といるときは、うるさいほど喋るようであるが・・・・。でも、彼にとってこうして出かけることが嬉しくないのかと言えば、そういうわけでもないらしく、しばらくした後、あのときの料理はおいしかったから、また連れて行ってくれと、ぽつりと言ったりする。 店は、ほぼ満席状態であったが、ちょうど2階席がひとつ開いていた。周囲に居る客はすべて、中国人ばかり、ちょっと甲高い感じの中国語が飛び交う。注文したチャンポンと餃子が来るまで大分時間がかかった。その間、僕たちはほぼ無言。人が見たら変な親子だと思うだろう。置いてある中国茶をコップに入れてやると、顔をしかめて「おいしくない」という。子供の舌はつくづく繊細だと思う。「○○が入っているからイヤだ」と中に入っているモノまで言い当てるから凄い。僕にもこんな時期があったような気がするが、今ではほとんどそんな繊細な味覚はなくなってしまった。 餃子に続いてチャンポンが来る。中に入っている海産物を1個1個聞きながら彼は食べる。一人で全部食べられるか心配であったが、彼は全部食べてしまった。「日本人の前では音を立てて食べてもいいけどブラジル人の前ではダメだよ。礼儀だから」というと頷きながら「じゃあ、中国人の前じゃどうなの?」と聞いてきた。横の中国人も音を立てながら麺をすすっているのを見ながら、「東洋人と一緒のときは大丈夫」と教えてやった。 マクドナルドでソフトクリームを買って舐めながら歩く。 「休みにクリチーバに行くのか?」 「ウン」 「あんな田舎に行っても何もすることがなくて面白くないだろ。友達もいないし」 「友達はいるよ。空き地もあるから自転車も乗れるし。ナモラーダ(恋人)もいるんだよ」と自慢気に言って、彼は最後のソフトクリームを口の中に放り込んだ。
 | 手持ちぶたさな息子。人前で写真を撮られるのが恥ずかしいのだ。でも仕方がない、父親の仕事は、日常を売りにするカメラマンなのだから。 |
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