7・11 持ち込みⅢ (2008/07/27)
紹介してもらった出版社はまだ2つある。1つめの件もあるし、期待はほとんどしなかった。いや、できなかった。 JRから丸の内線に乗り継ぎ、慣れない東京の街をいく。それにしても暑い。この暑さはまさにアマゾン並みである。いやそれ以上かもしれない。疲労と時差ぼけで身体はクタクタで、身体の調子が思わしくない。血圧が上がっているのかもしれない。暑さが怖い、と感じたのは初めてである。 印刷してもらったネットの地図を見ながらやっと着いた出版社は、住宅地の中にひっそりとあった。入り口の所で男性が車の中敷を洗っていたので、「mさんはいらっしゃいますか」と尋ねるが無愛想に、一言「知らないね」と言われた。どうやら隣の人らしい。どうも幸先があまりよくない。玄関を入ると1階は10畳ほどのギャラリーになっていた。受付の清楚な感じの女性に尋ねると、「2階に上がって下さい」という。入り口や廊下にある棚にある写真集がを見ると僕が好きになりそうなモノが多い。こんな所で出版してもらいたいな、そう思った。 社長のmさんは小柄で誠実そうな人柄であった。そのぱりっと糊の効いたワイシャツがその人柄を表しているようで好感が持てた。 僕のMINHA VIDAを見ながら 「う~ん、今、ドキュメントは売れないんですよね」そう言いながらも写真を真剣な表情で見ている。L社の対応した若者とは見る目なざしが明らかに違った。 「この手の写真はまだたくさんあるのですか? 女性の写真がいいね。どうしてカメラマンには女好きが多いのだろう・・・・」独り言のようにいいながら「うちは、作者と徹底的に話し合いながら、写真集を作っていくんです。だから、できあがるまでに5回は来てもらわないとだめなんです。連絡先があったら教えてください」 結局、出版してくれるというはっきりとした話にはならなかったが、mさんの写真にかける情熱にすっかり圧倒されてしまった。出版のことは別にして、こんな人に会うことができたのは大きな収穫であった。
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