7・24 自分の顔 (2008/07/29)
黄色いシャツを着た男が重そうに荷物を肩にかけて、ダラダラと歩いてきた。 「なんか楮佐古さんに似てるね」友人が運転席で言った。 そのダラダラとした歩き方といい、ぼわーっつとした雰囲気といい、まさに僕そものであった。「あんな人と似ているなんて・・・」と思いながらもあまりにその雰囲気といい見掛けといい、似ていたのでそんなことはない、とは言い返せなかった。日本に帰るたびにいつも服をユニクロで買い揃える。クロっぽい色は顔の黒い僕には似合わないし、売れ残った安売り品を買うせいか、自然に服は黄色になってしまう。 日本で自分の顔を鏡で見ると、どの角度から見ても、どうやってひいき目に見てもボーッツとした中年でしかない。そんな自分を見るたびに、いやになってしまう。ついには、自分の顔を鏡で見なくなってしまう。それがブラジルの家の鏡で見ると、結構精悍な顔に見えるから不思議である。ブラジルに帰ると自分の気がつかない間に気が引き締まり、それが顔に表れるのかもしれない。多分、光の加減なども大きく影響しているのだろう。ブラジルに帰ると、少しは見られる顔になるのでほっとする。そんな顔を鏡で見るにつけ、やっぱり自分にはブラジルがあっているのだな、と思ってしまう。
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