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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/03/28)
7・25 空港で

7・25 空港で (2008/07/30)  やっと日本での滞在も終わり、ブラジルに向う。機中気分よく過ごせるかは、隣の席の人間によって随分左右される。今回はクイヤバ出身のメスチッソ3世。見た目は完全にブラジル人でどう見ても日本人の血を引くなんて見えない。ブラジル人らしい気の良い人で、むすっとした僕のような人間にも気軽に話しかけてくる。全く嫌味がないのでこちらも話しやすい。普通のブラジル人だったら、僕の無愛想さに辟易して、話しかけても途中で辞めてしまうだろう。彼は懲りずに遠慮がちにずっと話しかけてきた。なれないニューヨーク経由の旅で、旅なれた僕と一緒に行動すると楽だと思ったのかもしれない。
 機内でかかる映画は日本に行くときと同じでがっかりした。見逃していた「世界の中心で愛を叫ぶ」というのを見る。白血病にかかった恋人との関わりを思い出していくという御馴染みのお涙頂戴の映画である。解っているのであるが、泣けてしまう。疲れているせいか、涙腺がゆるくなっている。薄がりの機中でごしごしと目を擦る。もともと涙もろいといのもあるが、久しぶりに涙があふれ、自分でも驚いた。
 今回の旅はカメラやプリンタを購入していたので、結構税関ではドキドキものであった。ブラジルでは税関が厳しく、もし調べられて持っていることが解れば、高価な電子機器などには100%の税金がかけられる。調べられたらいくらお金を徴収されるかわからない。いつものように、スーツケース1つに小さな肩掛けのカバンだから、まずは大丈夫だろうと思うものの心配である。結局最後は不思議に肝が据わり平気な様子をできるのだが、今回は少々違った。僕の前は台車に山のように荷物を積んだ中国系おばさんだった。多分彼女はひっかかるだろう、と思いながら彼女の後をいく。高い台に座った日系らしき係官と瞬間目が合った。これはまずい、一番まずいパターンだ。心の中では焦りまくる。前のおばさんは意外や意外すんなりと通ってしまった。これも僕の想定外だったので、内心はドキドキであった。前のおばさんが税関ようの用紙を小さな箱に入れるように指示されたので、僕もそ知らぬ顔で入れようとした。そこで、チカッと係官の目が光った。
「ちょっと見せて」
 ひかかったか! 不思議に大きな動揺はなかった。僕は高知の人間のせいか、あきらめが速いのだ。もう、どうにでもなれ! と瞬間開き直っていた。係官は軽く用紙を見ると、行ってもいいよ、という指示を手で示した。ラッキー。うれしくて顔が崩れそうになるのを我慢し、ゆったりと出口に台車を押して行った。
 


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