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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
8・8 エドアルドがいない! Ⅱ

8・8 エドアルドがいない! Ⅱ (2008/08/09)  バスの中でいろいろあったようだが、それほど落ち込んでいる様子はないので安心した。そうしている間にやっと母親が帰って来た。
「何があったの?」帰るなり母親が聞き始めた。彼女はあらかた運転手から電話で話を聞いていたので、彼の話と総合しながら聞いていった。
 どうやら、息子は以前殴られた年長の男の子とまたいざこざがあったらしい。それを止めるために運転手は、エドアルドに自分の近くに座っていろ、といったらしいのだが、彼はなかなかいうことをきかないので、運転手が彼に汚い言葉で罵ったらしい。それにたいして彼も応戦してその言葉に運転手もカチンときて、もう送迎しない、と言ったらしいのだ。まだ、この運転手にあったことはないが、バスの中を掌握できないというのも少し情けない感じがする。多分、子供たちにバカにされているのだろう。もっとも、10歳から14,15歳の生意気盛りの子供たちを運転しながら静かに座らせているというのは大変なことだと思うが・・・・。息子は僕には一度も口答えもしたことがないので、いまいちどんなことを言ったのか想像しずらい。
「大人をちゃんと尊敬しないといけない! まだ、バスで通う気はあるのか?」
「でも、もう送迎しないっていったよ」
 歩いて独りで通わすには、距離がありすぎるし、毎日の送り迎えは大変である。サンパウロでは誘拐などが多いために、一般的に独りで通学するのは14、15歳以上になってからである。さらに途中目が届かないので、登校拒否になる可能性もある。近くにすむ独りで通っている、彼の同級生は、ネットカフェのゲームにはまってしまい、1週間も親に内緒で学校に行ってないらしい。
 結局、息子はまた送迎バスで通うことに折れた。もし、どうしても嫌だというのなら、仕事の無い日の朝は散歩ついでに送っていくつもりだったのだが。毎日、歩いて通うことを考えるとうんざりしたのだろう。
 前回上級生に殴られた事件や今回の事件で、息子は年上の人間に対して結構生意気なことを言っている、と言うことが解った。ただ、この上級生は日本人だということを馬鹿にしたりするらしい。日本人の血を引くことを誇りにしている息子としては、その辺がカチンと来て言い返すようだ。どうやら、彼は僕に似てプライドだけは高そうである。


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