8・16 オブリガード (ありがとう) (2008/08/17)
知人に子供の写真を撮ることを頼まれた。 最初あったときから、こましゃくれた子供だな、と感じていた。両親が仕事で忙しいので、おじいちゃん、おばあちゃんに普段は世話を頼んでいるとのことであった。それを聞いて納得した。多分、甘やかされて我がまま放題なのだろう。ちょっと自分の気に入らないことがあったらすぐヘソを曲げた。5歳という年齢がそういう歳なのかもしれないが・・・。ただ、人前で子供がかんしゃくを起こしているのは見ていてあまり気持ちのいいものではない。母親がオロオロしながらなだめるが子供はますますダダをこねる。 途中、子供にソフトクリームを買ってやった。手渡すときにオブリガードといわない。あやうく「オブリガードは?」と言いかけ言葉を呑んだ。 以前通信社で働いている時に、苦い思い出がある。その事務所は支局長の住宅の後ろにあり、支局長の息子が遊びにきては、散らかして行った。事務所は散らかり、日系二世の支局長は僕に「掃除をしてくれ」と頼んできた。そこで僕は「掃除をするのは構いませんが、散らかしているのは息子さんですから、次からここには来ないようにしてもらえますか。散らかさないように教えた方がよいですよ」と頼んだ。40過ぎてからの息子を目に入れても痛くないほどかわいがっていた彼は「人に息子のことをとやかく言われる筋合いはない!」とカンカンになって怒った。多分そのときのことがキッカケになったと思うのだが、それからすぐその仕事はクビになった。言った事は間違えでは無かったと思うのだが、他人の家庭に首を突っ込むと、人は激怒するということを知った。よっぽどモノの解った人手ない限り、子供や奥さんのことを言うのは止そうとそのときに思ったことを未だに覚えている。 うちの息子には、人から何かもらったり、してもらったりしたときには、オブリガードと言えと口が酸っぱくなるほど言っている。それでも、息子はしばしば忘れるから、幼い子供には意外に難しいことかもしれない。
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