9・15 3人の師匠 (2008/09/16)
僕の写真のお師匠さん的存在のNさんと久しぶりに話した。僕は、Nさんのことをブラジルのトップクラスの日系カメラマンだと思っている。とにかく写真のことが好きで好きで、という人で、技術もピカ1で経験も深い。まだ、僕が雑誌社で働いているとき、写真のことが何もわからず無我夢中で撮っているときに技術的なことや経験をいろいろ教えてもらった。本人にはとてもおこがましくて、僕は弟子だと思っています、なんて言えないが、頭の中ではそう思っているし、知人にはしばしば「僕の先生みたいな人」と言っている。 僕は、どちらかというと、ほとんど独学で写真を勉強しているが、勝手にお師匠さんと思っているが3人いる。一人はNさん、もう一人はJさん。Jさんは商業写真のプロ中のプロで日本でもバリバリ働いていた人である。この人も写真が好きで、撮影光のことなどを話していると話がつきない。そして、3人目はカルチェ・ブロッソンである。フランスの超有名なカメラマンで去年亡くなった。もちろん会ったことも無い人であるが、一時期、この人の写真集を毎日毎日読んだ。そうしているとなんとなく彼が撮っているときの気持ちが解るような気持ちになってくるから不思議である。そのせいか僕のブラジルの写真はフランスみたいとよくいわれる。フランス人の友人からもそういわれたときには妙にうれしかった。ブレッソンが50ミリの標準レンズをつけてスナップ写真を撮っていることを知り僕も50ミリ1本でずっと撮り続けていた。今思うとあの頃は無我夢中で、写真のことと女性のことしか頭になかった。だから、絶対写真がうまくならないわけがないとおもっていた。 今は、機材もそれなりのモノを持つことができ、稚拙な技術は機械で補えるようになった。しかし、僕の写真は決してイメージのクオリティを追及するモノではなく、いつも何か感じられる、匂うような写真を撮りたいと思っているだけに、自分が満足できるものはなかなか撮れない。 「あまり意識しないで撮った写真、そんな中にいい写真があるよ。だから毎日写真はとらなきゃ、だめだよ」Nさんはいう。まさにその通りだと思う。 治安や肖像権など、サンパウロは本当に撮りにくくなったが、毎日1枚でも撮り続けていきたい。
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