10・26 同化 (2008/10/26)
ブラジル人の嘘はびっくりするほどうまい。よくそこまで、しゃーしゃーと本当のように喋れるものだと感心する。嘘も方便で、必要な時もあるだろうが、嘘と知っていて、相手の話を聞くのは辛い。 Iはブラジル歴10数年であるが、すっかりブラジル人化してしまい、平気でペラペラと嘘をつく。よくそんなに嘘をつけるものだと感心してしまう。たいてい人は嘘をつくときには、癖が出るものだが、彼はまったく平然と嘘をつく。多分、もともとそういう素養があった人間だと思う。責任転嫁もうまく、一緒にいると知らない間に、僕のほうに責任が回されていて唖然としたことが数回ある。そんなに大したことではないのだが、この人はどういう育ち方をしたのかとクビをかしげてしまう。結局、悪気は全くないのだろうが、ちょこちょこと嘘をつかれると、例え本当のことをいっているにしても嘘のように聞こえてしまう。だから、彼のことは信用できなくなってしまった。 ブラジル人の中で生きていくには、嘘なんか平気の平左でつけるようにならないとダメなのだろうが、どうも僕にはそこまでできない。だから、いつもガタガタとあちこちぶつかって喧嘩になったり、嫌な思いをしたりする。 結局、僕はどこに行ってもその場所に染まりきれない、日本人でしかありえない、のだと思う。
 | 5,6年前からよく見かける絵描き。その頃からあまり腕は変わっていないように思える。 |
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