12・3 思い出 (2008/12/04)
久しぶりにピナコテッカ美術館にいく。入場料4レアル(約200円)。先日パウリスタにあるMASP(サンパウロ現代美術館)に行ったのだが、目新しい展示モノもなく15レアルもしたので入らずに帰ってきただけに安く感じる。本当に最近物価の上昇が激しい。 2ヶ月ぶりの、ピナコテッカも新しい展示物がなく、少々がっかりしてしまった。この美術館にはブラジル作家の絵画やオブジェが多い。風景画を見ていると、ブラジルの風景は絵になりにくいな、とつくづくおもってしまった。僕の頭の中に油絵というとヨーロッパ的風景という印象が強くインプットされているせいかもしれない。リオのグアナバラ湾や平原などを描いた絵もあるが、どうもピンとこない。そんなことを思いながら見て廻った。 その帰り、ブラジルきてすぐに住んでいたヅッケ・デ・カシアス広場を通る。この辺は、以前にはもう少し活気があったような気がするが、今ではすっかり寂れてしまった感じがする。数回行ったストリップ劇場も、結構流行っていた肉屋もなくなってしまっていた。 住み始めた当初は、リベルダーデ(東洋人街)などに比べるとゲイや人相の悪い人間が多ので、おかしいなとは感じていたが、まっ、そんなモノだろうと思っていた。時間が立つにつれ、サンパウロでも有数の危ない地区だとわかった。住んでいる場所を、日系人に言うとしばしば驚かれたものである。それでも、びくびくしながら夜な夜な遊びに行った。あの頃が懐かしい。 住んでたアパートの門番の奥さんが、いつも女の子を紹介してあげるから、と言ってくれていたが、彼女ももういないだろうな。住んでいたアパートの建物を見ていると、ただ、ひたすら好奇心のみで動き廻り、何をやっても楽しかったあの頃の思い出がかすかに蘇ってきた。
 | 住んでいた建物。外装を塗り替えているので綺麗に見える。中はワンルームで家賃も安くいろんな人間が住んでいた。独り寂しくなると13階のアパートからの眺めに慰められた。ベッドと小さな冷蔵庫があるだけのテレビも何もない生活であった。 |
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