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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
1・18 ピットブル  [画像を表示]

1・18 ピットブル  (2009/01/19)  最近、散歩する犬も少なく、嫌な奴らと出くわさない時間帯をやっと発見し、これはいい按配だと思っていた。今日も、何事もなく散歩が無事終わろうとしていた。次の角を曲がれば、もう家である。
 と、突然茶色犬の影がさっと横切った。人が溜まっていたので見えなかったのだが、犬がいたのである。アズミは即それに反応し、吠える。その犬はつながれておらず放されていたのだ。見ると、アズミの3倍はありそうな中型のピットブルである。慌てて、先に走るがその犬はアズミの吠え声に反応して追いかけてくる。
 その犬が噛み付こうとした瞬間アズミが飛んで、その犬のノド元を狙う。
2匹の犬の白い牙と唸りが交錯する、はっとして僕もその犬を蹴る。見事な二段攻撃だ。とは言っても軽く蹴っただけである。飼い主らしき男が血相を変えてその犬を急いでおさえにきた。
「蹴るな!」自分の犬が蹴られたことに激怒しているらしく、目が血走っている。「何でつながないんだ」僕も大声を上げる。どうもその男は頭が悪いようで、タダひたすら蹴るなを繰り返すだけである。腕を上げて指差してくるので、その手を払う。僕がひるむと思っていたのであろう。喧嘩はまるっきしだめであるが、負けん気だけは強い僕は同じくらい声をはりあげていいかえす。
 一人の男が仲裁に入ろうとするが、飼い主の男は「蹴るな!」を繰り返すだけである。もし殴り合いになれば、僕はあっさり負けてしまうだろうが、僕の非はひとつもない。いざとなれば警察を呼べばいいと思っていた。相手の犬はブラジルでは危険な犬と指定されるピットブル、その上放しているとなれば相手の男が罪を問われることは間違いない。ピットブルはいままで何人もがかみ殺す事件を引き起こし、もっとも危ない犬の烙印が押されている。以前ペットショップでピットブルの子犬を売っていて買わないか、と言ってきた。息子は、ピットブルはかっちゃいけないんだよ、というとショップの主人は「飼い方次第だよ。悪いのは主人で犬じゃないんだよ」と言った。しかし、その飼い主がちゃんとしつけれないから、事件が多発するのである。だから、一般の人が飼う犬ではないのである。最近ではめっきり見られなくなった。いろんなところから苦情がきて手放す飼い主が増えたのだろう。たまに散歩をするのを見ても、もしもの用心に口輪をつけて歩いているかわいそうなものが多い。
 言い合いの最中も頭は意外に冷静だったのだが、ピットブルという言葉が思い出せないし、ポ語もうまく出ない。このピットブルという言葉が思い出せれば完全に相手を黙らせることができたのに・・・・。相手も、僕が引き下がらないし、非は自分にあるものだから、「蹴るな」としかいえない。「トマノク(直訳;肛門を舐めろ。喧嘩になると必ず出てくる汚い言葉)」と言い放ってきた。僕の表情が一瞬かわったのか、相手がひるんだ。心の中では勝った、と思った。この男が働いているところに行って文句をいってやろうか、と思ったが、バカバカしくなって辞めた。次、同じようなことがあったら警察に電話してやろうと思っている。
 まあ、しかし、あのピットブルと喧嘩してアズミも僕も怪我ひとつ負わなかったのは全くラッキーだった。多分このピットブルは大人しい、いい犬だったのかな、と後になって思う。しかし放し飼いにしておく飼い主が悪いのである。
 ニンジャはこの騒動に恐れをなしたのか、家に帰ると、寝床にすぐ潜り込んでしまった。情けない奴である。

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いつもじゃれながら喧嘩の練習はしているのだが、アズミは弱い。それでも気の強さは一流なので時に困ってしまう。
 調べて見ると、犬の散歩は繋いで、危険な犬はクチワをすることが法律で定められている。次回同じようなことがあったら絶対警察を呼んでやる! 用意は万端に調べ上げた。


 


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