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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/04/03)
1・22 リアル鬼ごっこ

1・22 リアル鬼ごっこ (2009/01/23)  友達に会うために、アニャンガバウー駅に向けて、サン・アントニオ通りの坂道をゆっくり歩いていた。
 後ろから、突然、ダッツダッツと走ってくる足音がして、後ろを向くと、一人の男が口を真一文字にしてやってきた。また、何か盗んで追いかけられているのかな、と思ったくらいでたいした驚きもなかった。というのは、ついこの間も3人の青年が警官に追いかけられているのを見たばかりだし、最近のセントロでは、男たちの「リアルおにごっこ(最近アサヒネットでこの言葉を見つけ面白いと思った)」はたいして珍しいことではないのだ。もっとも、自分が盗まれていないからそんなことをいえる訳でであって、自分が関わっていたら、と思うとぞっとする。本当に気をつけなければと思う。
 どんどん小さくなる彼の後ろ姿を見ながら、約束の時間が近づいているのに気づき、僕も歩く速度をはやめた。後ろから再び、バタバタという以前より強い足音が聞こえてきた。再び後ろを振り向くと、赤い袋を持った中年のモレーノが、目も飛び出さんばかりにしてひっしに走ってきた。その後ろからは若い白人系の男が追いかけている。二人はあっという間に僕を抜き去っていった。さらに数秒後、あと二人の男が息を切らせながら走ってきた。この二人は前の青年に、まかせた、と言う感じで、絶対捕まえなくては、という真剣さは先の若者ほどは感じられない。角の公園に来たところで盗んだ男は逃げるのを諦め、赤い袋を芝生に放り投げた。そして「(返したから)もう、いいだろ」といいながら手を上げ、ゆっくりと、他の路上生活者が溜まっている方へ歩いて行った。その態度はふてぶてしく、自分が悪いことをしたという感じはまったくない。モノを返せばそれで済むと思っているのだ。普段からこの公園は昼間でも雰囲気が悪く、路上生活者が勝手に住み込んでいる。公園のすぐ500mもしないところには警察署もあるのだが・・・。追いかけてきた男たちも、どうしようか、と迷っているようである。それ以上深追いすると、仲間の路上生活者に反撃を食らうことをおそれて、結局口惜しそうな顔をして帰っていった。ブラジルではあんまりやり過ぎると、ロクナことはないのだが、見ていて歯がゆくなった。僕だったら絶対警官を呼ぶのに・・・。
 でも、よく考えてみれば、あとあとの仕返しも怖い。ブラジル人は執念深いから、あとで仕返しにやってくる場合が多い。だから、事件があっても、見ざる、知らざる、聞かざる、で通す人が多いのだ。日本のように事件が割かし簡単に解決しないのはこのせいだ。
 うちの家のすぐ近くにこんな奴らがいるとは思いもよらなかったし、路上生活者は一見危なそうに見えるが、人に危害を加えたりすることはないと思っていただけにショックだった。夜はこの道を歩かないのが無難そうである。


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