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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
5・26 ラーメン 大好きⅡ [画像を表示]

5・26 ラーメン 大好きⅡ (2009/02/27)  ラーメンを食べたい、という息子のために、夕飯にお店に連れて行った。彼がいつでも食べたい時にいけるように母親も一緒である。突然の僕の申し出にブツブツいいながら彼女もついてきた。3人で外食するなんてことは、何年も前にピザを食べに行って以来である。
 雨がしとしと降っているせいか、いつもは日系人の客で一杯のラーメン屋「あすか」も今日はさほどではない。テーブルになんとか3人で座れることができた。息子と僕はトンコツの大盛り、初めての彼女には無難にしょうゆラーメン、そして餃子を1皿頼む。値段はまだ上がっていない。1杯11レアル(約550円)である。
 10分もしないうちにラーメンが出てきた。注文した後、料理がなかなか出てこないブラジルでは、驚異の速さと言える。息子はうれしそうにラーメンをすすりだした。最近、太り始めた事を気にして、彼女がチャーシューを僕に食べないか、と勧めてきた。息子がすかさず横から「僕が食べると!」と言ってさっと自分の丼に入れた。普段、息子は食が細く、あまりおいしそうに食べている所を滅多に見た事がないが、今日は本当においしそうに食べる。今日の麺は、僕には茹で加減がいまいちであったが、息子が喜んで食べたのでもう何もいうことはなかった。細めんなのでブラジル人には微妙な茹で加減がなかなか難しいのだろう。
 お店のご主人は、以前取材でお世話になったことがあり、行くといつも忙しい中、声をかけてくれる。
「どうですか?」
 店の主人がじきじきに挨拶してくれたので、彼女もすっかり喜んで
「息子は一ヶ月前から、ラーメンを食べたい食べたいと言っていたんですよ」という。普段客相手の仕事をしているからなかなかうまいな、と思いながら、横でやりとりを見ていた。
 餃子を食べながら、僕が作る餃子よりおいしい、と息子がいう。僕には、僕の作る餃子の方がおいしいと思うのだが・・・・。でも、確かに焼き具合はこちらの方がいい。僕の餃子は、焼き方をもうちょっと工夫をしなければならないようだ。
 すべて食べ終わり、「大盛りはもっと量があったように思ったけど、今日はなんか少なくかんじちゃった!」と息子がいう。前回は、僕が少し協力してやっと食べきったが、今日は一人で全部食べきったことが嬉しいのだ。息子も彼女も喜んでくれたので、突然の思い付きではあったが連れてきて良かった。
 もう、すっかり暗くなり、街頭に照らされた、雨のしょぼつく夜道を相合傘で息子と彼女が歩いていく。その姿を後ろから見ていると、二人の結びつきの強さがひしひしと感じられた。入ろうとは思わないが、この間には決して割って入ることはできないな、と思うとほんの少し寂しさが僕の頬を撫でた。

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おいしそうに食べる息子。いつかまた連れてきてやろう


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