3・16 2回目のファーベーラⅠ (2009/03/17)
ミエコさんから電話を先日電話をもらい、今日ファベーラに一緒に連れて行ってもらうことになっていた。 今日はもう一人のボランティアのおばさんも一緒に来てくれるという話を聞いていた。途中思ったほど車も込んでおらず、カペリーニャのバスターミナルに早く着きすぎてしまった。約束の時間まで、初めてきたバスターミナルなので、旅をしたいるような新鮮な気分で行き交う人々をボーッと眺めていた。この辺りはどちらかというと、中の下以下のクラスの人が多い。もう既に11時近くになっているせいか、通勤時間からもはずれ、人もさほど多くない。時間帯のせいか老人がやけに目についた。 「ヨランダを待っているの?」と声をかけられ、振り向くと以前顔を見た覚えのある、背のすらりとした白髪のおばさんであった。 「ええ、そうですよ」 今回のレポートはミエコさん(ブラジル名・ヨランダさん)の活動にスポットを当てながら、ファベーラの人々の生活をかいていくつもりだった。ヨランダさんのことを聞くちょうどよい機会である。彼女にいろいろ聞こうと思い、尋ねることをいろいろ考えるが、どうも話の切り出し口がなかなかでてこない。ひとつには、僕が、話しても彼女がいまいち理解しずらいようだったからである。こういうときにはうまくポルトガル語を話せないのは、本当に歯がゆい。自分のことを棚にあげているようだが、彼女は勘が悪いせいか僕がある程度ちゃんと話しても彼女にはなかなか伝わらない。勘が良い人だとすぐに理解してくれるのだが・・・・。 「もう何年くらいブラジルにいるの?」 僕の痛い所をつく。もう、そう言われるのになれてしまい、そんなに気にかからなくないが、あまりいい気分ではない。「もう、随分長いよ」とごまかす。 「日本語のイントネーションがあって凄く聞き取り辛いわね。日本人にとってポ語は難しいみたいね。2世のヨランダでさえ、お父さんの影響のせいでしょうけど、少し日本語のイントネーションが入っているものね」と少し慰めてくれた。 「ヨランダは素晴らしい人よ。貧しい人たちに対して本当に親身になっていろいろしてあげているわ。そんな彼女を見ていてたくさんのことを学んだわ」 ぽつりぽつりと彼女と話をしている間に、ミエコさんが息をきらしてやってきた。「大分待った? ごめんなさいね」 さっそくバスに乗ってファベーラに向った。
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