4・3 刺身 (2009/04/04)
肉中心の食生活に魚も入れたいと随分前から思っていた。 僕がブラジルに来た頃は日本人の客が多いフェイラで魚屋があるくらいで、スーパーでもほとんど魚はなかった。それが、7、8年ほど前から、スーパーでも見かけるようになった。ブラジル人も健康のことを考え魚を食べる人が増えたからだろう。それでも、ブラジルでは、日本のように魚を食べる習慣がそれほどないので、魚を焼く網のようなものは見かけたことがない。そのためいつもフライパンで焼くはめになってしまう。フライパンだとどうしても魚の味がいまいちである。焼くのがダメなら刺身で思ったが、うちのちかくに立つフェイラ(青空市)の魚は、とても刺身で食べれるような状態のものを売っていない。 皆どこで刺身用の魚を買っているのだろう? いろんな人に聞いてみると、たいていフェイラという答えが返ってきた。ある人が、市営の市場には刺身にできる魚があると教えてくれた。うちからは、歩いて20分ほどかかるので、今まで躊躇してきたが、刺身のためならしょうがない。8時に行ってみた。 久しぶりの市営市場は大分様変わりしていた。最近は観光ポイントとして市でも力を入れているからだ。市場の中は、軽食を食べさせる店が増え、綺麗になり、以前の暗く、ごちゃごちゃした感じがすっかり薄れていた。前の雰囲気が、生活臭があり、僕はずっと好きだ。なんでもかんでも、明るく綺麗にすればいいというもんではないと思うのだが・・・・。 やっぱり刺身を買うなら日本人の売り子がいる所がいいと思い、探してみると2軒の魚屋があった。その1軒には数人の日本人がいたので、この店に決めた。30歳ほどの売り子の女性に、刺身で食べれるような魚はないか、と聞くと「マグロ、サーモン、すずきがあるわ」という。これは僕にはちょっと手の出ない高い魚である。もっと安い魚はないかと聞くと、「ない」という。ガラスケースに入っているカツオをさして、これは刺身ではダメなのかと聞くと、大丈夫だという。さっき言った「ない」というのはなんなのだ、と思いながら、1キロ12レアル(600円)のカツオを買うことにした。他の魚を見ていると「イワシも脂がのっていて、刺身でも食べれるわよ」という。何故、最初からそれを言わないのか、と文句を言おうと思ったが、せっかくいい感じになりかけているので余計なことをいうのをやめた。もしかしたら韓国人か中国人に僕が間違えられていたのかもしれない。 さすがに日本のカツオほどプリプリとした感じはないが、それでもけっこういい感じである。これはタタキにして、イワシは酢漬けにしてみようと、思いながら家に帰る。 タタキは火であぶったあと、氷水に入れる、と何かで読んだ覚えがある。残念ながら氷がないので諦めて、焙った後、そのまま切るがなかなか思うように切れない。包丁のせいか腕のせいか。ほとんどぶつ切り状になってしまった。せめて綺麗に盛り付けようとするが、これも結構難しい。ネギと生姜をたくさんのせてごまかす。 見苦しいモノになってしまったが、魚自体が新鮮で結構脂がのっていたので、おいしかった。息子も意外においしそうに食べてくれたので、苦労して買って来た甲斐があった。 イワシも3枚におろすのに苦労したが、こちらもそれなりにおいしくできた。次回は盛り付けも切り方も、もう少し綺麗にできるように工夫したいと思っている。
 | 6時ぐらいが魚も多くベストらしい。時にはフグも1キロ500円ぐらいであるらしい。ちょと怖いが、一流日本食レストランでも買っているらしいので、こんど手に入ればフグちりにでもしようかな。 |
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