5・1 釣り (2009/05/02)
雨のシト降るイグアッペ(サンパウロから2時間半ほどの町)の河口で1年ぶりに釣りをする。元来、魚を愛する僕は、釣りをするのはあまり好きではない。どうも魚が苦しんでいるのを見るのが偲びないからだ。 この辺は、スズキが釣れることで有名で、マングローブの林があり、中洲があり、鳥なども随分と多いそうである。ちょっとパンタナールの河に似ている。昔は、この地形を利用して、海賊の隠れ家があったらしい。 釣れようが釣れまいが、どちらでも良かった。広い河でぼーっとできるだけでよかったのだ。竿だけに集中していると、それこそ頭の中がすっからかんになるところが好きなのである。 とはいうものの、何度かツンツンという刺激を糸先に感じながら、釣りをしていると、なんとか1匹くらいは、という気持ちになる。最終的に15センチほどの小さな魚を釣り上げた。雨の中、1日舟に乗っての釣果がたったそれだけであったが満足できた。考えて見れば、カッパを着てではあるが、雨に1日中うたれる何てことは、今までなかったのではないだろうか。寒いには寒かったが、我慢できないほどではなかったから良かった。なんとなく自然のエネルギーを浴びているようで、妙な心地よさを、身体の奥底に感じていた。しかし、そんな気持ちになることができるのは雨が小降りになり、ボートが止まっているときのことで、移動するときは、冷たい風に濡れた体がさらされ結構つらかった。 釣り宿に帰って、他の人が釣り上げたスズキの刺身をごちそうになった。ほんのりと甘く、歯ごたえのある刺身は、ブラジルに来て食べた刺身のなかで、もっともおいしいものであった。
 | 雨が大降りにならなかったのが良かった。こんな雨の中も多くの釣り人が来ていた。これだけの人が、毎週週末きたら、魚もいなくなるだろう、と思ったが、釣り師によると、海から魚たちは来るから大丈夫らしい。今の近海の海にそれだけの魚がいるのだろうか? |
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