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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/07/03)
5・2  警備員

5・2  警備員 (2009/05/03)  久しぶりにストリップ劇場に行った。始めは、まったくそんな気はなかったのだが、街に出ると、なんとなくソワソワしている感じを、道行く人や佇む人々から受け、刺激されたのだ。
 最近は、携帯やビデオで盗撮をする人が多いようで、中に入る前に、携帯の金属発見器でチェックが行われる。僕はいつもカメラを持っているが、門番とうまく仲良くなり、チェックなしで入れるようになっていた。窓口で13レアル(650円)の入場料を払い、門番に軽く挨拶をして入る。
 連休の中日だというのに、劇場の中は意外に人が来ていた。彼らもどこもいくところが無いのだろう。前回来た時にはいなかった、警備員がなんとなく幅を利かせている感じで劇場内をうろついていた。背の高い痩せた黒人である。警備員に黒人が多いのは、見るからに怖そうで脅しが効くせいかな~、と思いながら、彼の警備の様子を遠目に見ていた。
 劇場内のゴミを回収したり、彼は意外に小まめに働いている。踊り子が舞台にいないときに、前方の男が携帯を取り出してみていた。それを見咎めた彼はさっときて、注意をしていた。注意された男は踊り子もいないのに、何故うるさく言うんだ、とちょっと怒っていた。確かにこれは過ぎた行為である。一番前に座った男にも、あれやこれやと注意している。ちょっと、うっとうしいな、あまりうるさくやりすぎると、客から文句がクビになるだろう、そう思いながら、彼の動きを見ていた。
 舞台の踊りを見ていると、この警備員が僕の後ろにきてじっと僕の方を見ている。僕も数秒にらみ返した。そのことにカチンときたのか、鞄にビデオかカメラがはいっているんじゃないか、と聞いてきた。なかなか鋭いな、と思いながらも、こちらもカチンときた。カメラを取り出しているというのなら分かるが、鞄の中までとやかく言われる筋合いはない。彼の質問には答えず、「俺はただ見ているだけだ。カメラを持って写しているか? どこにカメラがある? え!」もうちょっと柔らかく言えばいいのだが、僕の悪い癖でつい挑戦的な言い方になってしまう。
 最近はあまりないが、以前はしばしば警官に呼び止められた。別段悪いことを何もしていないので、ついカチンときて挑戦的な言い方をいつもしていた。中には「ここは日本じゃないんだ。署に連れて行って殴るぞ」と脅しをかけてくるような奴までいた。肉体的には全く自信がないのだが、一度カッとしたら、特に権力を押し付けてくるような奴らには我慢がならず言い過ぎてしまう。ブラジルにはいろいろ悪い奴らがいて何をされるのか分からない。できるだけ刺激をするような言い方はしないように、と後でいつも思うのだが、その場になると我を忘れてしまってカッとして挑戦的になるのだ。
 結局、その黒人警備員は「わかった」と言って去っていった。彼の喋り方と声はいかにも田舎モノのようで、実直さが感じられた。多分やっと掴んだ仕事で、一生懸命やっているのだろう。それは分かるが、カメラを一度も出してもいないのに、鞄の中身まで聞いたりするのはやりすぎである。多分、お客から文句が出て数日のうちにクビになるだろう。
  
 


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