5・31 お店の満足度 (2009/06/01)
サンパウロから数キロ行ったヒッピー市の立つエンブー町で昼飯を食べた。 古い人家を改良した一見雰囲気のよさそうなレストランである。まずメニューを見ると、こんなところの店にしては少々高い。それでもどんな料理がでるのか試してみようということになり入店した。観察していると、客は次から次へと訪れるが、クレジットカードを使えないことと、メニューに載っている値段の高さを見て90%は帰って行く。貧乏なお客はお断りということか? お金持ちらしき人は確かにメニューも見ずにさっさと入ってくる。 庭にあるテーブルに座ったのだが、一見して雰囲気のよさそうに見えた店も良く見るとアラが一杯みえて田舎家の庭という感じである。オーナー自が栽培してハーブを使っての料理だそうだ。期待してまつがとにかく出てくるのが遅い。こういうのをスローフードというそうだが、ファーストフードに慣れた身には結構暇をもてあましてしまう。ブラジルに来た頃は、どの店もこんな感じだったことを思い出す。 ニョッキを僕は頼んでいたのだが、味はごく普通で、バールでも食べれるようなモノであった。確かに料理の中心に飾りのようにハーブらしきものが1つあったが・・・。友人はリゾートを頼んでいたが、とてもおいしそうには見えなかったし、彼も格別おいしいとは言わなかった。もしかしたら料理の材料はすべて自分の畑で作った有機野菜等を使って作ったのかもしれない。こだわり一品料理なのだろう、と思い込もうとしたが、従業員が外からデザート用に既製品のごくごく普通のアイスクリームを買ってきて、すぐに客にそのアイスクリームを出したのを見て、がっかりしてしまった。本当にこだわりのレストランなら最後までこだわって欲しいし、こだわりを、掲げるなら、既製品を使うとしてもせめて客に分からないように仕入れろ! と言いたい。 生垣の外からはサクソフォーンの生演奏が流れてそれなりの雰囲気が流れていた。テーブルの上にチャージ料一人10レアルと書かれた小さなカードが書かれていたので何かなと少し気にかかっていた。でもまさか、外から流れてくる音楽に一人10レアルも取るとは思いもしなかったのでそのままにしておいた。勘定がくると、料理以外に一人10レアルが請求されていたので友人が聞くと、ミュージックチャージ料とのことであった。今までブラジルで、取材も含めていろんな店にいったが、店内ではなく店外から聞こえてくる音楽にもチャージ料を取られたのは初めてである。 他のお客たちは満足そうに料理をたべ、別に怒ることもなく帰っていたので、多分こういうものなのだろう。お金持ちはどこかひとつでも気に入った点があれば、他のことには寛容にできるのだろう。一方、僕のような貧乏人はひとつでも気に食わないところがあれば店全体が気に入らなく人が多い。 この店は、お金持ち専用の店で、僕のような、コストパフォーマンスにこだわり、満足度を追及する貧乏人が使う店ではなかったのである。友人がご馳走してくれたのだが、例え自分がお金をださなくても、やっぱり「高いけどおいしかったね」と言えるような店を探すべきだとつくづく思った。
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