7・8 マスの季節 (2009/07/09)
寒さは大分和らぎ、過ごしやすい天候が続いている。 2週間ぶりにメルカードムニンシパル(市営市場)に買出しにいく。今日は残念ながらよさそうな魚がない。いつもはさほど愛想のよくない売り子のおばさんが、何故かいろいろと親切にしてくれる。胃の調子が悪いというと、胃の薬を教えてくれるわ、おいしい日本食のレストランを教えてくれるわ、今日はいったいどうしたのだろう。おばさんの親切にほだされ、ついつい買いたくもないヒラメを買ってしまった。それとサバを1キロ、マグロのアラを500グラムしめて25レアル。約1300円。 もうこれでいいかな、と思いつつ、ついつい奄美大島の移民2世がやっている店を覗くとアジがあった。ここの兄ちゃんはいつもニコニコして気軽に日本語で話しかけてくるからついつい行ってしまう。 「今日は何にする」 「じゃーアジに。刺身にして大丈夫?」 兄ちゃんは何匹か触ってみて「今日のはあまりよくないねー。アンショーバはどう? おいしいよ!」 その言葉に乗せられるままに、アンショーバを買う。もしかしたら同じものが日本にいるのかもしれないが、僕はアンショーバをみたことがない。コロニアの人々はその姿がマスに似ていることから、レストランではマスと呼ばれている。身が柔らかすぎて刺身には向かないが、一夜干のマスは非常においしい。とくにこの季節は脂がのっていていける。3枚におろしてもらう。いかにも奄美諸島風のゴツ目の、この兄ちゃんのニコニコ顔はどうも憎めない。行くとついつい買ってしまう。 昼間に食べたマスの塩焼きは、脂が十分にのり最高であった。普段はあまり魚を喜んで食べない息子までが「おいしいね!」と言って食べるほどであった。来週また買おう!
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