1度しか車で行ったことのない場所にバスで行かなければならなくなった。本当はタクシーを使えば簡単なのだが、日曜も行かなければならないし、何よりうちからは遠い。タクシーの料金を考えるととても使う気にはならない。 　バス路線はサンパロでは非常に発達していて、まず行けないところはないほどであるが、停留場には名前もないし、自分の使いたいバスが何処を走っているのかがわかりずらい。そういう時に便利なのが、すべての路線を網羅している「Ｒｕａ」という本である。これはマップになっており、市内のすべての道が書かれ、バス路線も書かれている。しかし、非常に見づらいので、この本は、補助的に使った方がいい。行かなければならない場所にいる人に、乗る場所、バス名を聞いて、それからこの本で確認するのが一番簡単な方法である。 　バスの停留所に名前がないので、運転手や車掌（サンパウロのバスの多くは、ワンマンではない。運転手だけにすると、ただでさえ無賃乗車する人が多いから、収拾が着かなくなってしまうだろう）に、自分が行きたい場所の目印となる場所をいい、そこに来たら教えてもらうのが良いようだ。ブラジル人もたいてい同じようにしているから、この方法が一番良いのだろう。 　自分が知らない場所にバスで行くというのはちょっと考える非常に面倒で憂鬱になるが、慣れると、「ちゃんと行けるだろうか」というドキドキ感がけっこう心地良いし、無事ついたときの気持ちはなんともいえない。

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